ふと、思いついてつくってみました。
京都在住の先輩から、匂袋が届く。
深い香りのなか、時が止まるよう……。
そして、静寂が、たちのぼる……。
こころのなかのあせりが、すうっと消えていく。
なんて「いいもの」いただいたことだろう。
この匂袋が納められた茶封筒のなかには、A4サイズのカードケース(硬質塩化ビニール製)が1枚、芯として入っていた。匂袋がよれたり、もみくちゃにならぬように、との配慮である。
芯なら厚紙にもできようけれども、それをカードケースにするという心くばりに、はっとさせられる。
このカードケース、何に使おう。
机まわりの、台所の、あらゆる棚のなかの、書類を思いめぐらしていく。
折角のカードケースを、何かとくべつなことに用いたい。
ええと。ええと。
そこへ、とつ然。
叫ぶ、声。
「ねえ、誰かー。アタシの○ンツ、持ってきてー」
女の割合が多いせいだろうか(男1人、女4人と1匹)、うちはこのように、あけっぴろげに、はしたない。
入浴しようと、子どものひとりが3階の自分の部屋から、1階の浴室へとおりていったのだ。そうして、着替えと下着を持っておりるのに、○ンツだけ忘れたものとみえる。めずらしいことではない。
もう、仕方ないなあ。
しぶしぶ目当てのモノを持っていってやりながら、○ンツだけは脱衣室の隅に置くことにしようか、と思う。
棚の下段の端っこに、布製のかごに入れて○ンツを置いてみる。
これはよさそう。
でも、このままでは、どうもつつしみがない。
洗濯機の「取り扱い説明書」をフタのかわりに、のせてみる。
どうも味気ない。
臨時、という感じ。
ああ、そうだ。
先輩が匂袋といっしょに送ってくれたカードケースを、フタにしよう!
ほら、こんなふうに……。
カードケースに、1枚障子紙をはさみ、その上に、レースのコースターを
入れてみました。これで、フタのつもり。
この下に○ンツがかくれています。
フタの裏面には、洗濯機の「取り扱い説明書」がはさんであります。
この洗濯機、うちにやって来たばかりで、
ときどき「どうするんだっけ……」と見なければなりません。
ここにはさんでおくのは、いい具合です。
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