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2007年4月13日 (金)

春のお祭り、イースター

ある朝、扉を開けたら、風がふんわり柔らかくなっていました。セントラルパークでは、太陽のかけらみたいに鮮やかな黄色の水仙が春を告げています。

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春の陽射しに包まれたセントラルパークでは、芝生でのんびりする人もちらほら。
貯水池ではカメさんも登場!

この季節になるとみんな「今年のイースター(復活祭)は、何日?」と、カレンダーをめくります。
イースターは十字架にかけられたイエス・キリストが再び蘇った奇跡の日として、キリスト教ではクリスマスと同じく大切な祝祭日。でも、もとは厳しい冬の後でふたたび巡ってきた春を祝う、ヨーロッパ古来の“春の祭典”だったのだとか。「誕生」や「再生」を祝う日なので、生命をまあるく宿した卵や、多産で知られる兎がイースターの象徴です。「春分が過ぎて最初の満月のあとの日曜日」と決められているので、三月の終わりになったり四月のはじめになったり、その年によって変わる・・・というわけ。

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イースターが近づくと、お店には卵モチーフがいっぱい!
こんなかわいいキャンドルも。

私にとって印象深いのは数年前、イタリア系アメリカ人の友人がつれていってくれたイースター。ニューヨークから車で一時間ほど離れた郊外に住むお母さんの家には、家族や親戚が十数人も集まっていました。

ジェノヴァ風サラミや各種チーズ、オリーブなどを取り合わせた気軽なアンティパストを前菜に、パスタはトマトソースあえのペンネとホウレンソウを詰めたカネローニの2種。主菜はイースター料理の定番のひとつ、丸ごと焼いたハム。それも骨付きの巨大なものがどーんと登場したのです。表面に薄くはちみつを塗って焼いてあるので甘辛で香ばしく、添えられたマッシュポテトとよく合います。

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太い筒状のパスタに詰め物をして焼くカネローニは、
家族の集まる休日にぴったりのごちそう

おいしい!とほうばっていたら、友人がいたずらっぽい顔で警告するのです。

まだお腹いっぱいになっちゃだめよ。うちはデザートがすごいんだから

それでもかなり満腹状態。そこで、近くの湖まで散歩することになりました。先頭に立ってはりきる子どもたち、過ぎた年のイースターの思い出話をしながら後に続く大人たち。子どものころはただごちそうに夢中になっていた祝祭日も、大人になってみると、遠く離れて暮らす家族が集まるひとつの大切な「節目」なのだと気づきます。

散歩から戻ると、子どもたちお待ちかねの「エッグハント」。イースターバニー(本当は大人たち)が庭のあちこちに隠しておいた卵を探すのです。年長さんもよちよち歩きの子も大喜び。チョコレートで作ったイースターエッグも売られていますが、このご家庭では固ゆで卵の殻にきれいな色を塗った、昔ながらのイースターエッグでした(卵は翌日、エッグサラダにするのだそう)。

卵狩りがすむと、食卓にはデザートがずらり。リコッタチーズを使ったイタリア風チーズケーキ、苺のパイ、チョコレートケーキ、アイシングをかけたクッキー、くるりと巻いて揚げた生地に甘いクリームを詰めたシチリア風のお菓子「キャノーリ」、貝殻の形に焼いたパイにオレンジ風味のチーズを詰めたお菓子「スフォリアテッレ」もあります。

0413_06_1 貝殻の形のスフォリアテッレは、ちょっと硬めのパイ生地に
オレンジ風味のリコッタチーズを詰めたペストリー。
さくさくの生地に甘いクリームが詰まったキャノーリは、シチリアの伝統的なお菓子。

濃いめに淹れたコーヒーを啜りながら「どれにしようかな」と、みんなうれしそうに悩んでいます。食べきれなかった料理やお菓子は小分けして包み、おみやげに。

イースターが終わると、春も本番。明るい季節が訪れるのです。

 

★次回の更新は4月20日(金)です! 

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コメント

葉ちゃん、お久しぶり。お元気そうで!
懸賞応募とかしてて、このブログに気づきました(笑)
食いしん坊ネタなら負けてませんよ・・・と、言っても私の場合、かなり庶民的かつB級ですが。
NYからの美味しい話、楽しみにしてます

んっ? michiyoさんっておひとりしか心当たりがないのだが、もしかしてアノmichiyoさんですかっ!?(アノってなんだ) きゃああ、おひさしぶりです! こちらでもニューヨークの庶民の味、取り上げてゆきますのでまた遊びにきてくださいね!

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プロフィール

渡辺葉
渡辺 葉(わたなべ よう)
翻訳家・エッセイスト。慶応大学卒業後、カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校への留学を経て女優を志す。95年からニューヨークで暮らし始め、舞台女優として活動。現在はエッセイの執筆や料理本の翻訳などを手がける。料理とダンスが大好きな、好奇心旺盛な女性です。
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