ニューヨーク、普段の花づかい
東京の友人からお花見便りが届いてから3週間後、セントラルパークでもようやく桜が満開になりました(ニューヨーク市は北緯40度、八戸と盛岡の中間あたりなので、花暦としてはまあ妥当なのでしょうか?)。
それから続々と春の花が開き、街もパーッと華やかになってきましたよ! 曜日によってユニオンスクエアなど市内各地で開かれる青空市“グリーンマーケット”でも、花屋さんは大人気。桃や杏子の花などの枝ものや、チューリップ、パンジー、ヒヤシンス。花屋さんでは百合や牡丹も姿を見せています。
ユニオンスクエアの青空市。色とりどりのお花に、
道行く人も思わず微笑んでしまうのです。
花を選ぶ人の姿って、いいものですよね。子どもを連れたお母さん。あっちの鉢、こっちの鉢と見比べて迷っているおじいさん。みんなどことなく「うきうき感」が漂っていて、しかもその「うきうき感」は伝染性のものだったりして。用事があるのに、つられてつい立ち止まり、チューリップの束を衝動買いしてしまう。そうしてゆらゆら揺れる花を抱えてルンルンと歩いていたら、すれ違ったひとが微笑んでくれて二倍嬉しくなったり・・・。
花を買うのって、映画を観るのと同じく(と、いきなり話題が飛びますが)ある種の“勢い”があると思いませんか? しばらく足が遠ざかっていたのに、どうしても気になっていた映画を観た途端、同じ映画館の上映作品を続けて観てしまう・・・そういうこと、私はけっこうあります。
花もそう。しばらく飾っていなかったのに、ある日ふと買ってみたら「ああ、やっぱりいいよね!」と思ってしまい、それからしばらく続けて花屋さん通いをしてしまう。春は、そんなふうに加速度をつけて花たちと仲良くなれる季節ではないかしら。
アメリカ人の男性は概して、照れずに(というか、照れながら?)花を贈る人が多いかも。バレンタイン、パートナーの誕生日、ふたりの記念日。もっとも、ある友人(女性)は「言葉で伝えるのが苦手だから、花に託してるのよ」と言っていましたが・・・。私も「ごめんね」代わりの花束、受け取ったことがあります。悲しいかなそれは恋愛初期の話で、おつきあい時間が重なっていくと「花を贈る」というオプションそのものを忘れてしまう人も多いようですが・・・。でも、花束を持って歩く男性の姿って、実はとっても魅力的ですよね。
花束と男性といえば・・・こんな風景を目撃したことがあります。
ピンクやあんず色のバラ、お日さまみたいに眩しい黄のガーベラ、ふんわり優しい紫色のライラック・・・溢れる色彩に目を奪われ、花屋さんの前で立ち尽くしていたときのこと。歩道に沿ってずらり並べられた花のバケツの前で、ひとりの男性がアヤシイ感じでうろうろしていたのです。(花泥棒? まさかねー)と思いつつ、微妙に挙動不審な彼の動きをさりげなく目で追っていると・・・
キョロキョロと辺りを窺うや「えいっ!」と意を決して、その男性はバケツに入れてあったフリージアの匂いをかいだのです。息を吸うときギュッと目を閉じていたのも、ちゃっかり見ちゃいました。そうして二秒後には「僕はなんにもしていないよー」とでも言いたげに歩き去っていったのです。花の匂いをかぎたいなんて、男っぽくない行動だと思ったのかな? あまりにもかわいいあの風景、いまでも花屋さんの前を通ると思い出して、(くふふ)と笑ってしまうのです。



チェルシーにある素敵な花&インテリアの店
「プルーデンス・デザインズ」。さりげないディスプレイからも、
おうちアレンジのヒントがもらえるのです。
★次回の更新は5月25日(金)です!










渡辺葉様、はじめまして、3年前に葉さんの本を1冊読んでたちまちとりこになりました。本屋さんで探して見つける度に買い、毎朝会社に行く前にカフェで読んでいました!ニューヨークも元々大好きな街という事もあり、葉さんの文章からニューヨークの美しい景色や、いろんな人々との暮らしや、一人暮らしされてた時のエピソードがとても生き生きと書かれていて夢中で読みました。葉さんの結婚されてからのエッセイも大好きだったので、離婚された記事を読んだ時はとても衝撃的でしたが、私自信も結婚と離婚をこの3年間で経験して、勝手に心強く思ってしまいました。興奮してとても長くなってしまいすみません。大大好きなのでこれからも楽しみに読ませていただきます!
投稿 おはん | 2007年5月24日 (木) 23時41分
おはんさま、こんにちは〜。こんなふうにしていただくコメント、なんだか思いがけなく贈られた花束のようでとってもうれしいです! これからもどうぞよろしく。ところで、会社に行く前のカフェ読書、素敵なひとときですね♪
投稿 葉 | 2007年5月28日 (月) 02時47分