地下鉄でゆく小さな外国、ロシア編
地下鉄を降りると、そこはロシアだった。
ここはブルックリン(※1)の南端。すぐそばのコニーアイランド遊園地では、毎年ホットドッグの早食い競争というなんともアメリカンなイベントが行われるのですが・・・
こちらブライトンビーチは通称「リトル・ロシア」。ロシアおよび周辺の旧ソ連諸国からの移民が集まって住んでいます。お店の看板も、カフェのメニューも軒並みキリル文字だし、道行く人々は暖かそうな毛皮の帽子をかぶり、その表情やたたずまい、服の着こなしからもユーラシア大陸の気配が感じられます。いつごろからこうなったのかな。冷戦後、やはりペレストロイカ後に移民が押し寄せたのかしら。
大都会に点在する移民たちのひそやかな足跡。現代のマルコ・ポーロさながら、摩天楼の街を彷徨する旅人の目に、シルクロードの幻影が映っては消えるのであった・・・なーんてねっ。
ニューヨークには“プチ外国旅行”が楽しめるエリアがいくつもあることは以前にも触れましたね。クイーンズのおいしい飲茶に連れて行ってくれた友人のYoshikoさんとワタクシは“NYオリエント急行プロジェクト”を立ち上げ、その実態を究明すべく放浪の旅に出たのであります。本日は「ロシア編」。ではいってみましょー☆
「あれ、なんだろう」
「わー、毛皮だ」
「わー、外国っぽい」
微妙にマヌケなコメントを発しつつショーウィンドウにカメラを向けるわれわれの姿は、完全に観光客。しかしやはり「看板が読めない」というのは異国情緒を200%アップしてくれます。
マンハッタンの街角よりも毛皮店が多い気がするのは気のせいでしょうかね? ショーウィンドウにはゴージャスな毛皮のコートが並びます。しかしそのデザインはどこか異邦人的で、どこか時代を超えてる感じ・・・・。「オルガ」とか「ナスターシャ」なんて名前のロシア美女が着たら似合うと思うのですが、われわれ東方民族が着るとコスプレになりそうな予感!? でもあの帽子は暖かそうだなあ。
「カリンカ、カリンカ♪ って曲を思い出しますねー」とYoshikoさん。
「ニャンカニャンカ?」とワタクシ。やはり微妙に凸凹コンビです。
さて、われわれの足は一路、食料品店へ向かう。
このエリアをはじめて訪れたのは8年くらい前になるけれど、そのころから比べるとずいぶん高級感漂う店が増えてきました。でも値段はまだまだ安い! たとえばオリーブ、マンハッタンでは1パウンド(約450グラム)につき5.99~7.99ドルが相場ですが、ここでは3.99ドルというステキ値段です。ハチミツ&ジャム類が多いのはなぜだろう。しかも大瓶多し。ロシア人は甘党なのかな?
高級食品店を後にして、昔からある屋内市場に向かいました。薄暗い店内の壁に沿った長いガラスケースには、サラミ、ソーセージ&ハム類がズラ~リ、その種類の多さは半端ではありません! ドイツ~東欧のハム・ソーセージ類は美味との定評があるけれど、ロシアでもお肉の燻製&塩漬けの類は充実しているみたい。冬が長い国では保存食の技術が培われるのでしょう。「何がほしいの?」とやや投げやりなお姉さんにあれこれ試食をさせてもらい、ハム少々を買ってみました。味はさっぱりめだけれど胡椒がきいていていて、けっこういい感じ。150グラム相当で、2ドル弱でした♪
反対側の魚売り場には燻製の魚やサーモンのマリネ、瓶詰めのイクラなどが並びます。日本人としては(魚はほぐしてごはんにのせ、すだちをキュッ♪)と考えてしまいますが、ロシア人はどうやって食べるんだろう。聞いてみたいけど、こういう市場のおばさんは英語であれこれ質問すると嫌がるので黙って通過・・・ああ、オレって小心者。
隣のお惣菜屋さんは、いつも地元のモスクワっ子・・・じゃなかった、ロシア系移民でにぎわっている店です。肉団子のクリーム煮、いろんな詰め物をしたピロシキ、どれもおいしそう! 私は翌日の朝ごはん用にチーズのパンケーキを買ってみました。
リトル・ロシア探検も佳境に入ってきました・・・道路を渡って、観光客の王道、お土産センターに潜入! この店は半分ロシア語の書店で、残り半分がロシア物産店のようです。はてしかし、書店の手前になにやらなまめかしいコーナーが・・・ドキドキしてじっくり見られませんでしたが、どうやらバレンタインデーを前に“愛の秘儀本”大特集をしているらしいのです。そこで本を手にとって熱心に品定めしているのがみんなロシアン・マダムというのは、これいかに?
ひとしきりお店を冷やかしたあと、暮れなずむ空を見にいくことにしました。目抜き通りの一本先は大西洋。海岸に沿って、板張りの散歩道が続いています。夏には人でいっぱいになるはずだけれど、いまはカモメたちがやや呆然とした表情で座ったり、ちょこちょこ歩き回っているばかり。
いや~、地下鉄一本でお手軽海外旅行が楽しめました。今度は夏にも来てみよう・・・ダスヴィダーニャ、リトル・ロシア! スパシーバ!
(※1)ニューヨーク市の5行政区のひとつ。マンハッタンの南東にあたります。
★次回の更新は2月8日(金)です!






















ズドラーストブイチェ!
大学での第2外国語がロシア語だったヒネクレ者です。普通の大クラスと違い、12人という少数精鋭だったためサボることもできず、結構身に付きましたよ~。でもなかなか使う機会もなく今じゃアルファベを読めて喜んでいるくらい・・・
今は必要に迫られてフラ語とイタ語を自己流で勉強するも、学生時代のような危機感がないから身に付かない~。あぁ、もっと勉強しておけば良かった・・・
ではパカ~(^0^)/
投稿 michiyo | 2008年2月 1日 (金) 23時17分
もし、「ロシア旅行編」ってタイトルになっていたら、
NYのお話とは思いませんよね(笑)
NYは人種のるつぼとは言うけど・・・
いろいろな人たちがいて、みんなそれぞれのアイデンティティーを持った上で、うまく融合している!
すごいですね。
私も、自信を持って堂々とNYを楽しみたいです!
ところで、葉さんのコート姿、ロシアマダムに負けていませんよ~素敵!
投稿 ゆりり | 2008年2月 2日 (土) 07時47分
葉さま
またまた、私好みのロシア・東欧の食について書いてくださって嬉しいです。ニューヨークに本物のロシアのおばちゃま達が歩く姿、本当に迫力満点なんでしょうね。
土地柄、ロシアや東欧出身の人たちともお付き合いがあるので、自然と彼らの食事が私の食生活に入り込んで来ます。
燻製のお魚(さば)には、いろいろな食べ方があるようですよ。
解体してから、カテージチーズ(クリームチーズでも)と合わせてフードプロセッサーにかけて、最後にみじん切りの細ねぎなどを混ぜてディップにしたり。または、一口大に切ってサラダ(ビーツの水煮を追加、マヨネーズ風味など)やマリネにしたりと、どんな風に手を加えても美味しくなります。個人的には、酸味の効いた薄切りパンにバターをたっぷり(これが大切)塗り、程よい大きさに切ったもの(燻製ウナギでも!)を載せていただくのが大好きです。添え物はキュウリのピクルスで、ビールにもワインにも合います。
すみません、食べ物ネタでついつい長くなってしまいました。葉さま、皆さまも是非お試しくださいませ。良い週末を。
投稿 Matzke | 2008年2月 2日 (土) 07時50分
月曜日はせっせと歩き回って合計7時間、
それからMETオペラを観てきました。
もっともっと時間がないと回りきれない街ですね!
よ~し、頑張ってお金貯めよう!!と思ったNY小旅行でした。
次回はこういうところにもぜひ行ってみたいです。
(いつになるやら・・・?(^^; )
投稿 庭ふくろう | 2008年2月 4日 (月) 04時53分
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投稿 ブログ管理人 | 2008年2月 4日 (月) 10時50分
冬のブライトンビーチは、異国情緒たっぷりですねぇ。葉さん、メーテルみたいよ!いつも夏のコニーアイランドの帰りにちらっと寄るくらいなので、こんな素敵なオリエント急行プロジェクトが満喫できるとはびっくり。そうそう、ローカルなお店の人に、なかなか英語でいろいろつっこんで聞けない小心者なコメントも、まったく同感です。何年いるんだ、オレたち。。。Matzke さんのレシピ、貴重です〜、私も是非トライしたい!ありがとうございました。
投稿 Yoko | 2008年2月 5日 (火) 07時42分
カ~リンカ カリンカ カリンカ マヤ♪
庭にはイチゴ 私のカリンカ イェ~♪
・・・って、小学校の時授業で歌わされませんでした?未だに意味不明ですがなぜかまだ空で歌えますよ。子供の頃の記憶力ってすごいね。。。
ところで、私も皆さんに同感。葉さんのコート姿は完全にロシアン街に溶け込んでました。浮いていたのはあたしだけ・・・ほんと、メーテルみたい(爆)
投稿 Yoshiko | 2008年2月 6日 (水) 22時45分
葉様
僕も葉さんのコート姿に一票。
って大統領選挙じゃないんだからねぇ。
スーパーチューズデイも終わり、両者接戦ですねぇ。
日本でもクリントンさんとオバマさんの戦いは注目されてますよ。
もうひとつ、ハム・ソーセージを選ぶ葉さんの笑顔にも一票。
ってしつこいかぁ。(笑)
投稿 由宇 | 2008年2月 8日 (金) 22時43分
michiyoさま
ズドラー??? おお、コニャニャチワという意味ですね!(調べてみた) さすがmichiyoさま、バブル最終局面でロシア語を学ばれていたとは。やはりプーチンの台頭を見越していらしたのでしょうか。しかし彼は『ムーミン』シリーズに悪役で出てきそうな気がしませんか。。。。
ゆりりさま
そぉなんです。ほんとに外国なんですよー。パスポートもって来たっけ?と思わず不安になるほどです。リトルロシアの手前にはなんだかイスラムな一区画があり、そのさらに手前にはチャイナタウンがあります。ニュージャージーにはポルトガルがありますね(ニューアーク付近)。塩ダラとか売っていて、あそこも面白いですよ〜〜
Matzkeさま
おおスバラシイ(拍手喝采)! カッテージチーズとまぜまぜのディップはすごくおいしそうです!! 薄切りの黒パンに合いそうだ。燻製ウナギのオープンサンドイッチ(ですよね?)もおいしそう。ビーツも好き〜。これからも北ヨーロッパな香りのレシピを熱烈歓迎します!!
庭ふくろうさま
飛行機が飛んでよかった!! 『ワルキューレ』をご覧になったんでしたっけ? わたしは激務OL生活なので、金曜夜(9時まで開いてる)にメト美術館に行って、アート渇望感を癒しています。。。新しいギリシャ・ローマ展示がすごくよいの。
管理人さま(って返事書く俺は妙か?)
迅速なる処理ありがとーございます。変な書き込みってやーね。
Yokoさま
えっメーテルっすか!? あの「銀河鉄道」の?
* * *
(舞上がりダンスをひとしきり踊る)
* * *
そうなんですよ。チャイナタウンで「これ何が入ってるの?」と聞くのにもなんかモジモジしてしまうこの心理はなんなんでしょう。しかしくじけず、ニューヨークのエスニック味をいろいろ味わってゆきましょう!!
Yoshikoさま
ゲスト出演ありがとうございました! カリンカカリンカ、おいらは習わなかったよ。今度歌ってください。そういえば『走れトロイカ』っていうのはおぼろげに覚えてるな。「は・し・れ〜、トロォイカ〜」と明るいメロディだったと思うのですが、どうにもお寿司やさんのカウンターが浮かんできて、小学生のワタシを困惑させるのでした。ダーッ。
由宇さま
おお、2票もありがとうございます! オバマになるのか、ヒラリーになるのか・・・まだまだ目が離せません。そして共和党陣営も。マッケインでしょうかね? 個人的には「共和党の中ではいちばん好きな議員」なので、対戦相手に不足はないわ。。。。ダーッ。
投稿 葉 | 2008年2月11日 (月) 01時47分