日記・四季折々の暮らし

2008年3月21日 (金)

シゴト時間から、じぶん時間への橋渡し

 ♪月曜日は仕事にでかけ〜
  火曜日も仕事にでかけ〜
  テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ〜♪

と果てしなくリピートして歌いたくなる今日この頃(!?)
いま携わっているプロジェクトはもうすぐ終わるので、来月には「ヒマや〜」と叫んでいるかもしれませんが・・・とりあえず月〜土までオフィス通いをしているワタクシです。

 “シゴト時間”から“じぶん時間”への移行。みなさんはどうしてますか?

ワタクシはこのところ、“じぶん時間”への橋渡しに通っている場所があります。それは、メトロポリタン美術館。 昨年リニューアルしたばかりのギリシャ・ローマ部門が、いいんですよ~。金曜&土曜は9時閉館なので、仕事帰りに立ち寄ることもできるというワケ☆ 

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メトロポリタン美術館の正面ロビー。受付には日本語の話せる方も常駐しています。

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  「壮麗」という言葉が浮かぶ、古代ギリシャ部門。

 正面ロビーから左に折れると、広々した回廊に設置された大理石の像と、イオニア半島特有の黒や赤の釉薬を塗った陶器が並びます。実を言うと、チラッとのぞいたときは「前とあまり変わってないナ」と思っていました。
 ところが、その奥に・・・ドーンと広い空間が!
 ギリシャ部門と同じく大理石の像が並びますが、配置デザインの微妙なちがいなのか、こちらヘレニズム時代&ローマ部門はなんだか親しみやすい雰囲気。まるで、さっきまで散歩したり談笑していた人たちが「ぴたっ」と動きを止めたみたい(頭だけのヒトや鼻もげのヒトもいますが・・・わーっ、ホラー!?)
 訪れる人の反応もさまざま。あちこちに置いたベンチに腰掛け、彫刻とじっとにらめっこしている人。胸像と並んで“ツーショット”を撮る人。生身のヒトと大理石のヒトの距離が従来より「身近」な感じ。大きな天窓が“突き抜け感”を演出してくれるのか、この空間にはなにか気持ちのいい空気が漂っています

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ヘレニズム&ローマの間。大きな天窓から降り注ぐ光が気持ちのいい、中庭のような空間。

 しかしワタクシ的イチオシは、このメイン広間の横にある細長い回廊です。何気なく見た風景や、ふと聴こえた声。予期していなかったものに予期していなかったときに出会って、「うわー!?」と感動してしまうことってありませんか? この回廊で出会った壁画は、そんな出会いのひとつでした。

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紀元前一世紀後期、アウグスタス皇帝時代の宮殿の寝室の壁。頭部は女性、身体は鳥の妖精「セイレーン」は、東洋の羽衣天女のイメージと重なります。

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西暦79年のヴェスヴィオ火山噴火によって宮殿の大部分が損傷を受けたものの、残った一部を修復して展示してあるのだとか。

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 まず惹かれたのは、その色合いでした。「くれない」という言葉そのものの鮮やかな紅と、東洋的な静けさを思わせる薄墨色。絵柄がまったく「古くさ」くないことにもビックリ。はじめて見たときはずっと後の時代のものと思ったくらいです。紀元前一世紀にこんなモダンな感覚のデザインがあったとは!
 トロリと柔らかな蒼が基調の壁画には、海にまつわる神話の場面が描かれています。向かって左は、美しい海の精ガラテアと、彼女に夢中になってしまった一つ目の巨人ポリュペモス。向かって右は海の怪物の生け贄にされそうになったアンドロメダを助ける英雄ペルセウス。宮殿に住んでいた人々は、この絵を見てどんなふうに感じていたんでしょうね。

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海の精ガラテアに恋してしまった一つ目の巨人ポリュペモス。

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海の怪物に生け贄にされそうになっていたアンドロメダ王女を、メデューサを退治したばかりのペルセウスが助ける場面。怪物は「くじら」という説もありますが、これは「竜」に見えますね

 そして・・・この方を見たとき、ズギューンと心が貫かれてしまいました!

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何かを問いたげなつぶらな瞳。いまにも動き出しそうな全身の気配。二千余年という時を越え、こんなに生き生きとしていらっしゃるとは・・・ワタクシ、この鳥さんに惚れました。

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こちらは「黒の間」と呼ばれる寝室。漆黒ではなく、薄墨色の壁がミステリアスな印象です。

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欠けた一部には何が描かれていたのか・・・“永遠のかくれんぼ”をしている神話動物。

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部屋が薄暗く、輪郭もぼやけているため、いつも「何の場面か知りたいーっ」とジタバタしてしまう壁画。

二千年という時を経てきた品々の多くは、いまとなってはどこの誰が作ったのかわからないけれど・・・寝室の壁やさりげないガラスの器の向こうに、確かに生きていた人々の息吹を感じます。
——この首飾りをつけていたのはどんな女性? この鎧をまとっていたのは、どんな男性? どんな服を着、どんな髪型をして、どんな言葉を話して生きていたのだろう? 

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ローマ時代のガラス器。何を飲んでいたのかな

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ネズミの形の・・・急須?? 茶目っ気のある職人さんが作ったのでしょーか。

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これも茶目っ気! お魚のカタチの・・・何に使ったのでしょう?

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普通の人(貴族かもしれないけど)が、普通に使っていたはずの器たち。どんな料理を盛っていたんでしょう。味見してみたい!!

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「あのイヤリング欲しいかも〜」と、ついウィンドウショッピングをしてしまう、煩悩でいっぱいのワタクシです

二千年前に生きた彼らも、仕事や勉学や修業に打ち込んだり、悩んだり、「わーい♪」と踊りだしたくなったり、けんかしたり、恋をしたり、私たちと同じようにいろいろ感じて生きていたはず。無名の人々が残していった暮らしの軌跡を眺めていると、日々分刻みで暮らしたり、「あと何時間でこれ仕上げなきゃ」とカリカリしたりするうちすっかりコチコチに縮こまってしまった時間の感覚が、ふわーんと伸びる気がします(←乾いたお麩をぬるま湯に入れると「ぶわーん」とふやける、あの感じ)。
 
 1時間かそこら古代世界を“旅”して、ちぢこまった時間の感覚が開いたら、週末の“じぶん時間”を楽しむ準備完了♪ みなさまも、素敵な週末をおすごしくださいね!

 

★次回の更新は3月28日(金)です! 

2008年2月29日 (金)

冬の置きみやげ

 先週末のニューヨークは、この冬幾度めかの雪が降りましたよ! 羽毛のような雪が朝から舞い続け、昼前には二十センチ近く積もっていました。
雪が降ると、なんだか理由もなくワクワクしますよね? もともと人なつこいニューヨーカーも、さらにおしゃべり好きになるみたい。たまたま入った店の店員さんや他のお客と
「やれやれ、大変なお天気ね!」
「見るのはきれいだけど、凍ると歩くのが怖いのよね」
なんて、話がはずんだりします。

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金曜日の朝から降りはじめた雪は、みるみる間にどんどん積もって。

 融雪剤が撒かれていたせいもあって、日曜日には歩道はほとんど乾いていましたが、公園や木々の枝にはまだ白い毛布がふんわり。このところなかなか足を運べずにいたセントラルパークへ、久々の散歩に出かけてみました。

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ソリにのって「わー!」と滑り降りる子どもたち。見ているだけでこっちも楽しくなっちゃう☆

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ひっそりたたずむ、お地蔵様ふう雪だるま。

 南北に長いセントラルパーク。5番街を下るバスに乗って東97丁目まで行き「東の草地(East Meadow)」からパークに入ると、広い草地はすっかり白一色。ソリを持った親子連れでにぎわっています。ん? なんだか見慣れない丸い形のソリもあるゾ。UFOみたいな形のそれをよく見ると・・・なんと、ごみバケツの蓋をひっくりかえした“応用ソリ”なのでした!! 普通のソリと違っていきなりクルッと回転しちゃったりするから、けっこう上級者向きかも!

「東の草地」のすぐ南にある貯水池をぐるっと半周するのが、ワタクシのいつものお散歩コースであります。全周約2.5キロだから、半周で1.3キロくらい。
ときどきふと“たっぷりの水”が見たい!という衝動にかられます。ハドソン河とか、この貯水池とか。なんでしょうね、たぷたぷと波打つ水面を見ていると「そうか、だいじょうぶだ」と安心するのです。

貯水池ではほとんど氷が融けて、水鳥たちが群れをなして集っていました。オスは青緑の派手顔、メスは茶色の地味顔のカモの夫婦や、カモたちよりひとまわり身体が大きく首も長いガチョウたち。南側にはまだ融けきっていない氷が浮き島のように浮かんでおり、カモメたちの休息場になっています。
しかし、カモとガチョウとカモメはお互いの言葉を解するんだろうか? カモとガチョウは体つきも似ているし、ある程度の友好関係はありそうです。カモメたちはちょっと「つーん」と距離を保ってる感じ。鳥界の交流関係、ちょっとのぞいてみたいぞ。

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水の中の氷の浮き島にたたずむ、カモメたちの群れ。その向こうをアヒルやガチョウがすいすいと泳いでゆきます

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貯水池の岸辺でひとやすみなさっていたカモのご夫婦。

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貯水池では氷が溶けはじめていて・・・眺めていたらふと「目に見えるものと、見えないもの」なんて言葉が浮かんできました。

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水ぬるみ、光がキラキラと揺れて・・・春は確かにそこまで来てる!

 貯水池の南端から「アーサー・ロスの松林」を抜け「カメ池」や「シェイクスピアの庭」の脇をどんどん歩いてゆきます。それほど寒くもなく穏やかな日曜日だから、家族連れ、友人どうし、私みたいにひとりで散歩を楽しんでいる人もたくさん。

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クロスカントリースキーですいすいお散歩している人も!

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カメ池はまだカキーンと凍っていました。カメたちはどこにいるのかな? 氷に描いたもようは、水の流れのしるしなのかな?

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なんとなくワビサビを感じさせる、渋い御仁も居られました。

 みなさんはひとりで歩くの好きですか?
私はけっこう、好き。といっても、こうやってセントラルパークに通うようになったのは1年半ほど前、オレゴンからニューヨークに帰ってきてからのこと。友達と来るのも楽しいけど、ひとりだと、季節のうつりかわりをじっくり味わえる気がする。潅木の枝をぴょこぴょこ移動しながらおしゃべりに忙しいスズメを眺めたり、面白い形の木の枝に見とれたり、好きなだけ好きなところで道草ができるしね。
あちこちで融けかけた雪のあいだから緑の草や苔がのぞき、木の芽はぷっくりふくらんで、少しずつ、でも確実に春のしるしが見えています。

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木々の梢に、足下に、春は少しずつ確実に訪れてる

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橋の欄干の穴からリスが一匹飛び出し、私を見て「うわっうわっ」とうろたえ、またぴょこんと逃げちゃった

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近くの木からは別のコが、なにやら大慌てで駆け下りてきました

 寒いのはあいかわらず苦手だけれど、もしかしたらニューヨークに来てから少しずつ冬が好きになってきたかも。鼻が凍ってもげそうな寒さがあるからこそ、こんなふうに寒さがゆるんできた一日は本当に心が躍ります。
 この雪は、もしかしたらこの冬最後の雪になるかも。冬の置き土産を楽しんでいるうちに、59丁目まで歩いちゃった。さあ、おいしいものを買って、おうちに帰ろう!!

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過ぎていく冬は、きっとこんな顔してる。雪の置き土産をドカッと置いて、「じゃあね、ばいばーい!」と手を振っているのです

 

★次回の更新は3月7日(金)です! 

2008年2月22日 (金)

My Favorite Things 2008 Winter

 Raindrops on roses and whiskers on kittens
 Bright copper kettles and warm woolen mittens…


 「あっ!」と思った方、
 ミュージカルかジャズ好きではありませんか?
 これは映画『サウンド・オブ・ミュージック』に出てくる『マイ・ファイバリット・シングス』の歌詞なんです。ワタクシはジョン・コルトレーンのジャズ版から入って好きになった曲なのですが、どっちもいいですよねー。

ジュリー・アンドリュースの映画版はこちら、ジョン・コルトレーンのジャズ版はこちらで見られますよ。

 バラの花びらの上の雨粒、子猫のひげ、
 ぴかぴかにみがいた銅のやかんに温かな毛糸のミトン
 辛いときも「マイ・ファイバリット・シングス」を思い出せば、そんなに悲しくないの・・・

 というふうに「お気に入り」を数えていく歌なのですが、実はこれ、けっこういいアイデアかも! ニューヨークはまだ冬まっさかり。外は寒いし、ワタクシもキンローの続く日々だしね、ひとつ景気づけに「マイ・ファイバリット・シングス」を数えてみることにしました。
 昔からのお気に入りも、「いま」気になるものも含めて、“My favorite things 2008年冬”版。ジュリー・アンドリュースのようにかわいいソプラノで韻を踏んじゃったりなんかもして数え歌に仕立てたいところですが、才能が足りないので散文的にリストアップしてみようと思います。さーいってみよー☆

オリーブグリーンの小物。去年の夏から気になってます。バッグ、スカーフ、サングラス、革手袋&ミトンもオリーブグリーンで揃えちゃった! なぜかなあ、名前が「葉っぱ」だからかなあ・・・。暗褐色系のファッションが多くなる冬、好きな色の「さし色」は楽しいですよね。

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去年夏からなぜか極私的盛り上がりを見せている、オリーブグリーン小物たち。微妙に色みが違うのですが、「ま・いっか」が合い言葉!

大好きなシャネル19番の香り。高校生のときから常に「マイ・ベスト・フェイバリット」の香水です。ガブリエル・“ココ”・シャネルの誕生日(8月19日)にちなんでつけられた品番だそうですが、私も月は違えど19日生まれなので、それもお気に入りの理由のひとつかも。「フローラル」とか「グリーン系」など他の香水を形容する言葉では形容できない、幾層にも深みのある香りだと思います。

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ン十年前から大好きな香りはシャネル19番。森のような緑の香りに華やかさがブレンドされた、他にない香りだと思います。

キャラメルティーといちごティー! アメリカの紅茶っていまいちなんですよね、でも・・・。日本帰国時に買って大切に持ち帰り、後生大事に飲む。どちらも、濃いめに入れてミルクを添えます。うわー(飲みたくなった)

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大好きなカレル・チャペック(←この場合はチェコの作家じゃなくて、吉祥寺が発祥の紅茶やさん)のキャラメルティー&いちごティー! いかにも日本の女の子が好みそうなこのパッケージがまた、たまらん

アリエル・ドンバーレとカーラ・ブルーニの音楽。アリエルの声って、キャラメルソースみたいだと思う。朝お化粧するときにかけると女子度がアップします。カーラ・ブルーニはさきごろサルコジ大統領と結婚して世間をあっと言わせましたが・・・曲はすごくいいです(この「てにをは」ニュアンス、わかってもらえます?)。声はドライめのシェリー酒ってとこですかね。
アリエルちゃんの“怪盗ルパン風”クリップは>>こちら
カーラ・ブルーニのオフィシャルサイト(英語版を選ぶと歌がすぐ流れます>>http://www.carlabruni.com/

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いま好きな声はこのふたり。右側のアリエルちゃんはとろ~りとろけるキャラメルソースの声♪ 左側カーラ・ブルーニのCDはどちらもおすすめです。2作目『No Promises』はイエーツやドロシー・パーカーなど故詩人の詩に曲をつけた意欲作。

猫・・・彼らに関しては、すべてが好き。特に鼻のあたまの、毛の流れが「こっから上は上向き。こっから下は下向き」になってる鼻梁のところ。猫の鼻はビロードのようで、こぢんまりして気高くて、見ているとウットリします。それになんですか、ひげの生えてる「鼻たぶ」のとこも。犬も好きです。黒くしめった鼻のあたまや、ちょっと不器用に爪が出たままの前足・・・ずっと「ホレホレ」と握手していたくなります。

好きな言葉・・・「じゃあワインでも飲んでく?」。嗚呼。ホントーにいい言葉だ! こういう言葉をさらっと言えるヒトはホントーにいい人ですねー。昼どきなら「じゃあお蕎麦でも食べる?」もアリ。ただし日本にいるとき限る。

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ずっと気になっていたグラスを昨年冬、セール半額で購入! 明るい色合いのタヌキ(ワオキツネザルにも見えるのだが・・・)&鳥さんを見ていると嬉しくなりますネ

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マイ・フェイバリット本たち。現在、歴史関係が好きな時期なので、著者よりもテーマで選ぶことが多いです。19世紀末~第二次世界大戦までのフランス、とくにパリの風物に興味あり。

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これもお気に入りのモノモノのひとつ。大判ハンカチがバッグに入っていると、「よし、今日もとりあえず大丈夫だ」と思うのです。アメリカにはまずこんなきれいなハンカチ売ってないから、日本で買いだめ。

 あれあれ、お気に入りのものものを数え上げていたら、だんだん嬉しくなってきました。ワタクシにも一応、悩みとか「つまづき」とかあるのですが、人生そんなに悪いものでもありません。オリーブグリーンのミトンをはめて猫の鼻のあたまをなでつつワインを飲めばいいわけです。

春を待ちながらいまひとつ手持ち無沙汰の今日このごろ。みなさんも、「マイ・フェイバリット・シングス」リスト、作ってみませんか? 案外、「自分ってこういうヒトだったの?」と意外な発見もあるかもしれませんよ!

 

★次回の更新は2月29日(金)です! 

2008年2月 8日 (金)

マディソン街OL日記

  はらはらり
  マディソン街に
  雪降りぬ

 いや~駄句、お恥ずかしゅうござる。しかし普段見慣れたビルの風景も、雪に彩られるとドラマティックに見えてくるものですねぇ。

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       マディソン街に雪こんこん・・・

  高級ブティックの並ぶ五番街と、ニューヨークのターミナル駅グランドセントラル。その中間に位置するマディソン街で、ワタクシはいったい何をしているのか!?
キンロウしとります。K・I・N・R・O。勤労ですよ!

昨年末より、ある企業のオフィスで日本語で書かれた書類に目を通し、概要を訳すお仕事をしております。短期雇用なのですが、日本人とアメリカ人が半々くらい、インドやロシアの方もいたりして、面白い職場です。

といっても、それぞれに与えられた書類をただひたすら読み、しゃかしゃかとタイプするわけで、そういう意味ではフリーランスのモノカキと大差はないわけですが・・・でもわからないことがあるとお隣の人に聞けるし、ふとおしゃべりに花が咲いたりもするし、なかなか楽しくやっております。

 というわけで今回は雪降り花咲く(?)マディソン街OL生活についてリポートいたしましょう☆

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まず、朝は5時起きです。いや~自慢じゃないんですが(←自慢にならない)ワタクシ、朝の身支度にすごぉぉぉく時間がかかるの。自分では普通に動いているつもりなのに、顔を洗うのに20分。コーヒーを入れるのに15分。朝ごはんを食べるのに30分・・・という始末。しかも、ひとつひとつの動作のあいだに一時停止してぼ~っとしているんじゃないかと思います、たぶん。

マダガスカル島に住むワオキツネザルは、朝起きるとまず太陽に向かって両手をひろげ、身体を温めないと機能しないといいます。うーんわかるよ、わかるっ。ワタクシの実の母はワオキツネザルだったのかもしれない。いや実は、ワタクシ自身がワオキツネザルなのかもしれない・・・。

7時15分ごろ家を出て地下鉄へ。東京の山手線ほどじゃないけれど、ニューヨークの地下鉄も朝夕のラッシュはかなりシビアです。みんな背が高く身体も大きいので、なんだか森の中に立っているみたい。でもって、隣の人が大音響で音楽を聴いていたりするとこちらの鼓膜が痛くなってしまい、かなりツライ。アメリカ的個人主義の弊害なんでしょうか、他人に対するモラルは、残念ながらあまり高くないかも。。。9時出勤にするともう本当にバトルロイヤル状態になるので、8時出勤を心がけています。

このビルはグランドセントラル駅の地下通路から入れるので、寒い日や雨の日などはとってもらくちん♪ グランドセントラル駅については前にも書きましたが、(→2007年8月31日の記事)大天井に星座図を描いたコンコースといい、いかにも「終着駅」の香り漂うプラットフォームへの入り口といい、大好きな空間です。

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1日に13万人が通勤し、50万人が訪れるというグランドセントラル駅。



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グランドセントラル駅構内とワタクシの働くビルは地下通路でつながっています。雨の日も寒い日も便利!

 ところで、このグランドセントラル駅でさきごろ、こんな出来事があったらしいのです。
これは「Improv Everywhere(“どこでも即興”)」というイベントというか自由形アートというか、不定期に不特定多数の人間が参加して「世の常識を一瞬、ひっくりかえす」プロジェクト。まあちょっと見てください・・・私も通勤途中にこういう風景に出会ってみたい!

 さて、オフィスについたらまず業務関連メールをチェックし、サクッと朝一仕事。しかしすぐお腹がすくのです。朝は家で食べているのに、ナゼだ? しかしこの職場では日本人同僚のデスク周りをうろつくと、必ず食べ物があります。ポッキーとか、梅干とか。ワタクシのお気に入りおやつは、ストーニィファームのヨーグルト。特にキャラメル味がたまりません。ンムムムム。。。

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ワタクシが現在キンローしておるビルです。
かっこええやろ?

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ワタクシのヘルシー系おやつ。マグカップに注目! 
友人のハンコ作家、錦小路ナンシーさんのお手製なんですよ!

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空腹な朝を救ってくれるおやつ。本日はキャラメル風味ヨーグルト、トルコ産干しあんず(ちょっと干し柿みたいな味がする)、ミネオラ・タンジェロのみなさんにご協賛いただきました。

 毎日10時間以上(12時間もザラでっせ)すごすデスク周り。だんだんいろんなものが増えてゆきます。ワタクシのデスク常連は猫のカレンダー、目薬、サングラス。コンピューターの画面って案外明るいので、サングラスをかけるとずっと楽になるのです。
モノトーンの世界に明るい色を添えてくれるのは、なつかしテイストの缶ペンケース。中にはアーモンドミルクのハンドクリーム、ラベンダー・エッセンス入りのシアバター、レモンの甘皮ケアクリームなどを入れています。ちょっと気分転換したいとき、手や爪のケアをしつつ、いい香りが楽しめるというワケ♪

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ワタクシのデスク常連のみなさん。コンピューター画面てけっこうまぶしいので、サングラスは必須。iPodも重宝してまっせ。

  さて、オフィスの楽しみといえば昼ごはん! チーズとかハムを挟んだだけの簡単なサンドイッチ+野菜スティックとかフルーツなど持参することも多いのですが、日本人同僚のみなさんと一緒にお弁当のデリバリーを頼むこともあります。
  特に人気なのは、“アンチエイジング弁当”のケータリング屋さんYUZU。冷凍加工品は一切使わずに新鮮な根菜&緑黄色野菜、魚やお豆腐を使い、お米も五穀米や赤米だったり、調味料や水にまで気を配ったヘルシーなお弁当なのです。全体に薄めの味設定、でも煮物などはだしが利いていて、よい感じ。毎日、はつらつと笑顔の魅力的なお姉さんが運んでくれます☆

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ワタクシの典型的持参ランチ。ブリオッシュロールにチーズはさんだのと、茹でブロッコリー。

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ある日のYUZU弁当、お魚バージョン(日替わりで、野菜のみバージョンとお魚入りバージョンがある)。うなぎのマッシュポテトのせ(←不思議な組み合わせだけどおいしかった)、胡麻どうふ、野菜いためもの、黒豆ごはん、ほか。

 さて今日もおいしくランチ食べたし(いかん、オフィスで内職してるのがバレた)、午後もがむばります~

 

★次回の更新は2月15日(金)です! 

2008年1月18日 (金)

ニホンのゴハン。

 実は昨年末に里帰りしていたワタクシ。久しぶりに日本のお正月を満喫して参りました! 
 年に一度は帰郷しているものの、年末年始は久しぶりです。大晦日は実家で鍋を囲み、紅白&12チャンネルのなつメロをはしごテレビし、暦が新年に変わる直前に年越し蕎麦・・・と、超王道正統派、ディスカバー・ジャパン(?)な年越しでした。

  お雑煮を食べたのも久しぶり! 今年になってはじめて知ったのですが、なんとうちでは2種類のお雑煮を年によって(というか、母の気分によって)作り分けていたのです。ひとつは母方の祖母が育った山梨風。もうひとつは母が若いころアルバイトしていた銀座の甘味処「若松」で覚えた東京風。基本のおだしはかつぶし&昆布のすまし仕立て。お餅は四角い切り餅を焼いてジュッと入れます。山梨風は具に鶏と大根、人参、小芋。彩りに小松菜を添えたもの。東京風は鶏に椎茸、たけのこ、彩りには三つ葉で、へぎ柚子を添えます。
 いやしかし、20代まで毎年食べていたくせに「わが家のお雑煮」が2種類あったなんて知らなかった。記憶の中では大根、人参、椎茸、三つ葉・・・と両方の具が交じり合っていたのです。
 切り餅VS丸餅、すまし仕立てVS味噌仕立てなど、お雑煮は土地柄を映すもの。みなさんのおうちではどんなお雑煮をめしあがっていますか?

 と、すっかりジャポネスクな雰囲気になっております。お琴のBGMでも流しましょうかね?
 しかしニホンのゴハンはおいしい!(←ワタクシは左党なのでお米のご飯というよりは食事としての「ごはん」全般を指します)
 今回は番外編風に「日本で食べたもの日記」ダイジェスト版をご報告いたしましょうっ。

 空港から乗った成田エクスプレスでは、通路を隔ててアメリカ留学中らしき女の子と迎えにきたお父さんのふたり連れが座っていました。留学してからはじめての里帰りなのかしら、大学の寮生活やアメリカの風習について息せき切るようにして報告するお嬢さん。お父さんが「何が食べたい? お寿司?」と言うと、
「ううん、ふつうの煮物が食べたい! あとね、お風呂に入りたいなあー」
 聞くとはなしに耳に入った会話でしたが、思わずうれしくなって心の中でブンブンとうなずいてしまいました。
私も実家に到着して荷物を解きお風呂に入ったときは、ほお~と全身の細胞がゆるむ感じでしたよ! “初日”のごはんは鰆の西京漬け、胡麻豆腐、生麩と椎茸、人参、蓮などの野菜を炊いたもの。沢庵&白菜漬けみたいな何気ない箸休めがまた・・・泣かせるぜ、おっかさんっ(男泣)

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懐かしく正しい日本の煮物。今日はめずらしく結び白滝入り♪

 おうちごはんでは鍋も堪能しました。今回のヒットは牡蠣チゲ鍋。昆布だしにチゲ鍋の素を入れ、白菜、小松菜、せり、お豆腐と生牡蠣。そこにエキストラでキムチも投入! これはおいしかったですー。赤ワインにも合いましたよ♪

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この冬初挑戦の牡蠣チゲ鍋。春雨を大量に投入。ここにさらにキムチなどを入れると、たまらんのですわ。

 年明けには幼馴染みを訪ねて人形町へ。「甘酒横丁」なんて地名にクラクラしてしまいます。お豆腐屋さんの店頭で甘酒を売っていたり、いきなりつづら屋さんも発見。そう、『舌切り雀』に登場するつづらです。江戸ですね~。
 人形町のごはんはモダンに洋食。小春軒というこぢんまりしていながら雰囲気のよいお店に入りました。私はメンチカツライスにしじみ汁150円を追加。メンチカツなんて食べたの、10数年ぶりかも! お箸で割るとほっくりジューシィで、くくぅーっ(握りコブシ)。昼どきで混んでいたのですが、ひとりで4人掛けテーブルでお食事なさっていたおじさんが「こちらにどうぞ」と譲ってくれるなど、下町の気さくさもごちそうでした。

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人形町の小さな神社『茶ノ木神社』にはお神酒が並んでいました

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黄金芋で有名な寿庵では、店頭に甘いシナモンの香りがただよっています☆

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つづら屋さんも発見!(激しくコーフン)。やっぱ大きいつづらがいいかな。だけどよくばり爺さんになっちゃうかな・・・・

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外はカリッ、中はじゅわ~のメンチカツ&ライス、しじみ汁150円を追加して、本日も幸せなお昼ゴハンなり。

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山県有朋の料理人であった小島さんが春さんと結婚して「小春軒」を出した、という由緒ありかつ微笑ましい由来のお店。コロッケ1個からでもおまけ注文ができるんですよ♪

 おっとそれから、神楽坂で和服美女とデートというウハウハなごはんもありましたっけ。『ラ・ブルゴーニュ』にてワインを飲みつつ、ポーチドエッグ+ベーコン入りの「ボジョレー風サラダ」、鯵とサトイモのテリーヌ風仕立て、ホタテ貝のスフレなどを堪能いたしました。

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神楽坂では和服美女とデートしちゃいましたっ。カフェグローブで大好評ブログ「リビングフード・ダイエット」を連載中のヤマショーさんですっ! これはおばあちゃまの着物を仕立て直して着てらっしゃるのだとか。いいですねぇ~。粋ですねぇ~~。

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このお店、スフレが定番なのです。本日はホタテ貝のスフレ。鯵と里芋のテリーヌも、半熟卵をからめるボジョレー風サラダもおいしかった。

 さて、里帰りするたび欠かせないのはお蕎麦! ワタクシは二八でも更科でもなんでも大歓迎です。今回は板橋区立美術館にブルーノ・ムナーリ展を見に行ったのですが、美術館隣の蕎麦屋「ひびき庵」でまず腹ごしらえ。もちろん新酒も一合頼んで、つまみには湯葉刺し、そば味噌、牡蠣のてんぷら。だし巻き卵もはずせません。仕上げにせいろを一枚。よっ、粋だねぇっ!

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板橋区立美術館お隣のひびき庵では、まず蕎麦味噌をつまみに新酒をツィー。

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そして(うひひ)牡蠣の天ぷら。天つゆより塩少々が気分です。他には湯葉刺しと、だし巻き卵。

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フィニッシュはせいろ。ここんちは二八蕎麦で、上品な味わい。お蕎麦屋さんって、天国にいちばん近い場所かもしれない(←けっこう本気)

 海外在住の方々にはちょっと目の毒な話題だったかしらん・・・。素材の秀逸さ、バラエティ、洗練度。日本のごはんをたーっぷり楽しめた休暇でした☆

 

★次回の更新は1月25日(金)です! 

2007年12月 7日 (金)

発見! モナリザ・スマイルの秘密

突然ですが、みなさんはショーウィンドウに映った自分の顔に驚いたことありませんか? 「こ、この美女はいったい・・・?」という突然のトキメキならいいのですが、私によくあるのは「悲しくも不満でもないのに、口が『へ』の字になってる」というオドロキ。「だ、大丈夫ですか」と自分レスキューに走りたくなったことも!?
というわけで数年前から、基本の表情を「口は一文字」ではなく「かすかな微笑み」にシフトするべく努めています。微笑みとは言っても“チェシャ猫” ではちょっとコワイので、お手本はほのかなモナリザの微笑

地下鉄を待っているとき、ひとり考えごとをしているときなど、思い出したらとにかくキュッと微笑みを作ってみる。背筋を伸ばすのと同じで、誰が見ていなくてもいいんです。疲れ切っていても、そんなふうにスマイルをつくるとなんだか「帰ったらゆっくりバスタブに浸かろう♪」と気持ちがポジティブになっていくのが不思議。はじめに気持ちがあり、それが表情に結ばれていくこともある。でも、まず形をつくることで気持ちがふくらむってこともありますよね。

ところで先日、この“モナリザの微笑”の強力な秘密兵器を見つけました。それはズバリ! 「影」だったのです☆

サンフランシスコに本社を置くベネフィット発のこのペンシル。パール入り薄いピンクのペンシルでまず、上唇の中心「V」(※)をなぞり、そこから上唇の「山」へとパールをのばして付属の筆で境界線をならします。キュッと尖った上唇に“光を入れてあげるというワケ。次にモカ色のペンシルで、下唇の中心のリップラインより下に“影”を入れ、付属のチップでぼかします。

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初公開! ワタクシの愛用メーク入れです。ちょっと使い込んでますが、かわいいし旅行にも持って行きやすい。

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開けるとこうなってます。ブラシなども分けて収納しやすいのが◎

さて! 私がこのごろ夢中な「モナリザ・スマイル」の秘密は、次のステップにあります。上唇の左右の端にも、ちょっぴりだけ影を入れるのです。

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中央の2色に分かれたペンシルが、名づけて「モナリザ・スマイルの秘密兵器」 
パールがかったピンクで光、あずきがかったモカで影を演出。ワタクシはリップ系はコーラルが多いです。肌の色によって選ぶの難しいですね。

「口角をあげる」という表現はよく聞くけれど、いままでどうしたらいいのかわからずにいました。若き友人けーこちゃんの通っているメーキャップ・スクールにモデルとしてボランティアし、そこで行われた「ナチュラルメーク」でこのテクニックを知って、目からウロコが三十枚くらい落ちたのです。。
だって上唇の端を「チョチョイッ♪」と補正するだけで、ただ「ポヤーン」と開けた口でも、ほのかに微笑んでいるように見えるではありませんか!

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実演。すませんっ。モデル雇う予算がないので、自分の顔でやりますこれは「使用前」

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で、上唇の左右の端に、ちょちょい・・・と影を付け足します。

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こちら「使用後」。あえてニュートラルな表情にしていますが、口角が少し上がりました、よねっ!?

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こちらは最近のお気に入りアイテムのひとつ。英国発のコスメブランド、Freshの下地&リキッドファンデ。下地はローズウォーター、キュウリの花のエキス、椿の葉のエキス、スクアレンなどが入っていて、気持ちい~い。ファンデは薄づきなのにカバー力もけっこうあります。日本未上陸だけど、時間の問題かも?

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日本に帰国すると日本の優秀コスメを買いだめしてしまいます。油とり紙はやはり京都どす~。眉ペンシルも日本のものは硬くてこすれにくく、優秀! アイライナーは「マジョ・マジョ」の黒&ブラックシルバー。

そうして、1年前に出会った素敵なメーキャップアーティスト、MOTOKOさんのことがすぅ~っと蘇ってきました。自分の顔が持っている自然な影や色みをいかしてメークする方法を教えてくれたのは、そもそも彼女だったから。
私の手持ちの化粧品を使いながらMOTOKOさんが教えてくれたのは「作る」よりも「活かす」に重点を置いたナチュラルメーク。
たとえば私は目尻の周辺にコンシーラーを入れていたのですが、MOTOKOさんは「葉さんはここに自然な影と色みがあるから、それを活かすといいの」と、ブロンザー(日焼けした肌を演出するのに使うブロンズ色のお粉)を使い、アイホールの影とつなげる方法を教えてくれました。ファンデの色選びからアイライシャドウのグラデーション方法まで、ひとつひとつが衝撃的に新鮮でしたよ~。

Motoko

そしてっ! スペシャル・ゲスト、MOTOKOさんのお写真です。うっつくしいと思いませんか????? 実際には小柄でほがらか、気取りがなくてがんばり屋さん。仕事には完璧にプロで美意識の高い、もう惚れずにはいられないお方です♡♡♡

ハリウッド女優やセレブのクライアントやファッション誌も多く手がけるMOTOKOさん。誰かを「きれいにする」のが彼女のお仕事ですが、彼女自身のナチュラルに輝くような美しさに、私は惚れてしまいました。仕事に対する真摯さ、見分ける目と美をつくる腕の確かさ。本当に、彼女のことを考えるだけで口角が上がってしまうくらい素敵な人なのです! 国際美容連盟から来年1~2月ごろ発行予定の「メイクアップアーティストになろう」(仮題)という本にもMOTOKOさんが登場するそうなので、メークに興味のある方はぜひ書店をチェックしてみてください♪ ワタクシ熱狂中の“モナリザ・ライン”に関しては「唇のエッジのところをよくブレンドしてね。でないと唇ばかりが目立ってしまうから」とコメントしてくださいました。

自分の顔が自然に持っている特色を活かして「いつもよりちょっぴりキレイ」になれたら嬉しいですよね。みなさまも、光と影を利用したモナリザの微笑メークをぜひお試しあれ!

★MOTOKOさんのポートフォリオはこちらです
こちらのウェブマガジンもおすすめ! 記事は英語ですが、MOTOKOさんがアジア人女性のメーク相談に親切に答えてくれます 

(※)この部分、“キューピッドの弓”って言うんですって! 自分の唇の上にキューピッドの弓があるなんて、ちょっと想像するだけで笑顔になれそうですよね♪

 

★次回の更新は12月14日(金)です! 

2007年11月30日 (金)

おいしい♪ サンクスギビング・デー

なかなか治らない風邪→モノカキ仕事大幅遅れ、とバタバタしており、先週は図らずも更新をお休みしてしまいました。みなさまお元気でしたか?

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木の葉もすっかり落ちて、冬じたくに入っています。

先週の木曜日は、サンクスギビング・デー(※1)でした。アメリカに来てすぐのころは「勤労感謝の日みたいなもの?」と“意訳”(←勘違いともいう)していましたが・・・これは、17世紀初頭に宗教的弾圧を逃れて英国から移住してきた人々が“新天地”(もっとも先住の民はいたわけですが)で無事に生き延びることができたことを神様に感謝して定めた祝祭日。クリスマス、イースターと並んで大きな祭日で、日本でいえばお正月かお盆のようにほぼすべてのビジネスはお休みになります。家族で祝うケースが多いのですが、都会では独身者やいわゆる「核家族」も多いもの。なので、友人同士で集まって食卓を囲む祝祭へと変化しつつある気配です。

ワタクシは去年、今年と続けて、友人のマドモワゼル・トモ&マサ料理長のお宅にお邪魔してきました。「おいしいもの用意するから、飲み物だけ持ってきてね」とのお誘いにワインをたずさえ、ふたりのおうちを一路目指すっ。

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「よっ、いらっしゃーい」とおいしい匂いと共に迎えてくれた、厨房の美男子。

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食卓で待つ美女、マドモワゼル・トモ。「ワインもおいちい♪」とゴキゲンです。

ドアを開けると、いたいた! 去年も一緒にサンクスギビングをすごした友人たち・・・。「私たちサンクスギビング難民だよねー」と笑いつつ、みんないつもはそれぞれの仕事で忙しいので、こんな祝祭日をきっかけに集まれるのは実はとってもうれしいことです。

我々がイソイソとやってくる理由はもうひとつ・・・それはずばり、マサ料理長のお料理! なにしろ彼はニューヨークでも定評のあるイタリア料理店で日々、包丁をふるうプロのシェフなのです☆
「こんにちは~」とキッチンをのぞくと、バンダナきりりと頭に締めたマサ料理長がジュウジュウとおいしそうな匂い&音をたてて、きのこをソテーしているところでした。マドモワゼル・とも&サンクスギビング難民(←世界一幸せな難民ステータス)のわれわれは、食事時間を目前にしたワンコのように、顔はハッハッハッとにっこりスマイル、お尻ではそわそわと尻尾をふりつつ、世間話に花を咲かせて待ちます。

そして! いよいよ!!
「ほらよっ」と運ばれてくる饗宴の品々。いいですか? いいですね? 報告しますよっ。今年のメニューは・・・
  •きのこのオリーブオイル+ガーリックソテー
  •甘いチェリートマト入りシーザーサラダ
  •ロブスターのグリル
  •タラバガニ&トマトソースのリングィーネ
  •帆立とトビコのスパゲティ
  •シーフードドリア
  •ロブスターの爪を蒸したもの

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香ばしい匂いがプ~ン、のロブスターグリル。右のフライパンは、パスタに使う海鮮だし。

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マサ料理長スペシャルの数々。どうだどうだっ

ワインは軽くて爽やかなイタリア版シャンパン“プロセッコ”と、コート・デュ・ローヌ(赤)。お腹をすかせたサンクスギビング難民はしばし、「きゃあっ」「おいしいぃ」「んむぅ」と、猫のどゴロゴロ状態に・・・。

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「むふー」と喜びのため息をもらす、サンクスギビング難民の面々。

いやぁ~。プロの技はさすがですね。蟹&トマトのリングィーネは蟹のもつ旨味とトマトの甘酸っぱさが溶け合い、帆立&トビコのスパゲティは帆立の甘さとトビコのプチプチ感、そして上に載せたふんわり細切り紫蘇の爽やかさが絶妙なるハーモニーを奏で、もうもうそれはそれは。シーフードドリアはホワイトソースとろ~り、海老や貝、小さなイカの味が口の中でじんわりと広がります。ジューシィなきのこソテーは、テーブルに並んで数分で完売に。ロブスターのグリル&蒸したものも、シーフード好きにはたまりません。

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上はカリッ、中はとろ~。このシーフードドリアがね、たまらないんです♡

すっかりお腹がいっぱいになったら、引続きワインを飲みながらおしゃべり。でもデザートは別腹ですもんね。友人が持参したいろとりどりのケーキを「私こっち~」などとワガママいっぱいに選び、おいしい紅茶と共にいただきました。

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デザートはケーキいろいろ。ワタクシはチョコレート+カスタード+ラズベリーの三段ムースを選んでみました。ブドウの香り爽やかなプロセッコがよく合うんだわこれが。

サンクスギビングが終わると街はクリスマス一色。12月はニューヨークの冬じたくをテーマに更新してゆきたいと思います♪

(※1)アメリカでは11月最後の木曜日。学校や公共機関、多くの企業も木~日までの長い週末となります。カナダでは10月末に行われるそうです。11月だと寒くなりすぎちゃうからかな?

 

★次回の更新は12月7日(金)です! 

2007年8月31日 (金)

ニューヨークのオフィス・ランチ

本日は昼ごはんの話をしましょう!

普段は自由(&ビンボー、トホホ)なフリーランス人生のワタクシ。でも現在ちょっと趣向を変え、とある企業で短期契約社員として働いているのです。
そう、憧れのOL生活☆
とはいえ、オフィスにいるあいだはずーっとコンピューターの画面とにらめっこ。いろんな方とチームを組んで企画を立てたり、素敵な男性社員にちょっぴりドキドキしたり、なんて華やかな話はゼロなのですが(←動機不純)。

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オフィスへ急ぐ人たちにまぎれてふと見上げれば、朝日を浴びる摩天楼がそこにいて・・・

となれば・・・というか、なにはさておき、いちばんの楽しみはランチタイム!

出勤前にささっと包んだチーズサンド+フルーツ、など超簡単なお弁当をデスクで広げることもあるけれど、少しずつ外ランチのテリトリーも広げています。

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旅の始発駅グランド・セントラル駅。大伽藍のような大広間にはいろいろなドラマが溢れて・・・

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その下には人々の胃袋を満たすべく、一大フードコートが広がっているのです。

このごろ、うちのオフィス(←なーんてね。いちど言ってみたかった)で噂なのが、すぐそばのブライアント公園にあるサンドウィッチ屋さん、ウィッチクラフト。なんで噂かというと――

私の上司は、他州から引っ越してきたばかりの真面目そうな青年。普段はちょっぴり硬い雰囲気で仕事の話ばかり、それも「もっとペースをあげるように」が口癖だったのですが・・・
ある午後、シャカシャカとキーボードを打つ私たちの部署にやってきて「いまそこでサンドウィッチ食べたんだけど、いやーおいしかったあ!!」と言うのです。「ただのハム&チーズと思ったら、洋梨なんて入っててさ」と、顔をほこほこさせて。とってもおいしいものを食べてびっくりして、誰かに言いたくてたまらなくなることありますよね。まさにそんな感じでした。

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お昼どきのブライアント公園。奥に見える東屋のような建物が、ウワサのサンドウィッチ屋さんなのです。

そこで、私もトライしてみましたよ~。
柔らかいゆで卵とローストオニオン、緑のサルサを添えた白アンチョビのマリネ」とか「とろとろにローストしたポークと紫キャベツ、ハラペーニョ唐辛子とマスタード」とか、うう悩ましい。あれこれ考えたあげく「薄く切った鶏と赤ピーマンのロースト、モッツァレッラチーズ&(※)ペストー添え」を注文しました。

お店の奥のグリルで焼いてあつあつになったのを切ってもらって、公園のテーブルで木陰のランチタイム♪

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しっとりジューシーな鶏肉と、甘くこうばしい赤ピーマンと、とろけたモッツァレッラチーズにペストーの香りがあいまって・・・

うーん、お味はさすがです。鶏肉はしっとりして風味豊か、そこに赤ピーマンの甘さとチーズのコク、ペストー(※1)の香りが絡まって、なんともいえません。
んんんんんだけど、高い。
サンドウィッチだけで10ドル(※2)ちょっと、チップを入れたら13ドル。飲み物もサラダやポテトもなしでこのお値段とは、うーんびっくりです。テイクアウトのサンドイッチなら5~7ドルが相場なのですが・・・
これは、給料日のオフィスランチ向け、といったところでしょうか。

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お手軽にすませたい向きには、ニューヨーク名物のホットドッグ。工事現場のお兄さんにも人気です。

ふだんのランチでよく使うのは、ヘイル&ハーティというスープ屋さんです。日替わりで20種類近いスープ、それも「トマト&ベジタブル」とか「キノコ&クリーム」みたいな定番から「セネガル風鶏とピーナツのスープ」、「アスパラガスと蟹のビスク」なんて変わった味もあって、楽しいたのしい♪ 「スタンプ10個集めたら、スープ一杯タダ」なんてカードもあって、思わず通ってしまうというわけです。

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日替わりで10数種類のスープ、それにサラダやサンドウィッチが食べられるヘイル&ハーティ。全米チェーンかと思ったら、なんとニューヨーク限定の地元チェーンでした。

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ある日のランチ、カレー風味のチキンチャウダー。けっこうガツンとスパイスが効いていて、「カレー心」を満足させてくれました♪

楽しいおいしいオフィス・ランチ、唯一の悩みは、食べた後30分後に襲ってくる睡魔。「来るかも・・・」と思ったら遅し、どんなに意識を集中しても、手をつねってみても、効きません。学生時代を思い出しちゃいますね!? 

そういうときはキッチンへ直行! 
さすがアメリカの企業、いや日本の企業もこうなんでしょうか。某スター○ックスの自動コーヒーメーカーがあって、いやはやコーヒー飲みすぎになりそう。ついでに思いっきり伸びをして、さあ今日もお仕事がんばりましょう!?

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睡魔に襲われた時の強力な助っ人。

※1  ペストーは英語「ペースト」とほぼ同義のイタリア語をイタリア風に読んだものです。正式にはペストー・ジェノベーゼ、バジル+松の実+ニンニク+パルミジァーノ・レッジァーノ+オリーブオイル、が一般的レシピのようです(バリエーションいろいろあり)。

※2  1ドル=約115円(8/30の為替レート)

 

★次回の更新は9月7日(金)です! 

2007年8月17日 (金)

非常時のニューヨーカー

未明から遠くでゴロゴロと鳴っていた雷は、夜が明けるにつれてどんどん近づいてきました。紫をおびた灰色の空に閃光が走り、ガラガラ、ドシャーン! 寝ぼけまなこでベッドから這い出すころには、窓の外は叩きつける雨の水煙でけぶり、ガーゼの幕を降ろしたよう。

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朝起きたら、窓の外ではサワサワと雨が降っていました。

それでもコーヒーを飲んでいるうちに雨は小降りになり、仕度をすませて外に出たときにはすっかりピーカン! 道路も乾きはじめていたのです。

この日は通訳の仕事で、朝10時にブルックリンに行く予定だった私。ブルックリンはマンハッタン島の右下(えーっと、もっと正確にいうと南東)にある地区で、私の住むハーレムからは地下鉄でマンハッタンをぐぐーっと南下し、イーストリバーをトンネルでくぐります。
今日も暑くなりそうだから、仕事が終わったらアイスクリーム食べにいっちゃおうかなー♪ なんて考えつつ地下鉄の駅に向かったら。

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雨のマンハッタン~♪ なんていうと歌みたいですが、通勤する方はターイヘン。

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防火水栓も力なく濡れそぼっています!?

あれっ!? 入口周辺にも、階段の途中にも、あふれんばかりの人、人、人。ホームにはもっと沢山いるみたい・・・
「地下鉄、走ってないんですか?」
目の前のおじさんに聞いてみても、首をふるばかり。

間に合わなかったら、困るうぅ~。
別の地下鉄で南下すべく、東へ横切るバスに乗りました。でもこちらの駅でも同じこと。むわん、と熱気がこもるホームに立ち尽くす人々。しばらく待ってみたけれど、電車が来る気配はまるでなし・・・ 

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ちょっとの雨でも、ニューヨークの地下鉄構内はすぐ浸水してしまう。

そうだ! 
ひらめいて、バスで南下することにしました。でも渋滞の道路を満員のバスでいくわけで・・・食べすぎのカタツムリの大行進みたい。あ、日本語には「牛歩戦術」って言葉があったっけ。あれは国会か。冷房で車内は涼しいのがせめてもの救いです。

「わたし、もう3時間もバスを乗り継いでるの」
隣に立っていた東南アジア系の顔立ちの女性が話しかけてきます。
「ニューヨークの地下鉄って、ちょっとした雨ですぐだめになるよね」と答えると、
「システムが古いからじゃないかしら。あなたの国は日本でしょ? 日本の電車は世界一よね。ビューンと鉄砲みたいに走る電車もあるでしょ」
そうそう、新幹線のこと英語では“Bullet Train(弾丸電車)”と呼ぶのです。

停留所に着くと、わっと数十人が押し寄せます。
「だめだ。そこまで!」
もともと満員なので、7、8人が乗ったところで運転手さんが半ば強引にドアを閉め、出発進行。窓の外を見ると(もう、これしか手段はない)とあきらめ顔でずんずん歩く人たちで、歩道は小川のよう。
外はサウナ並みだし、車内は混んでいるし、(どこに向かっているにせよ)大遅刻だし。乗るときに押されて痛かったのか、「オー・マイ・ゴッド!」とつぶやいて顔をしかめている人もいます。
でも杖をついた女性が立っているのを見て「マダム! ここに座りなさい」と声をかけ、席を立つ人もいて。

ニューヨーカーの魅力って案外、非常時に光るような気がします。

みんな「自分の力で泳いでかなきゃ」という気負いを持って生きている。その分、ときどき自分勝手なふるまいをしてしまう人もいるけれど、多くの人はみんなが同じように困っているのをわかっていてさりげなく助けあう。この日のバスでも見知らぬ同士が情報を交換したり、少しずつ詰めあって仲良く手すりにつかまったり、微笑ましい光景を見かけました。

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急いでいるときには時間がいまいち読めないけれど、非常時には案外頼りになる、ニューヨーク市公共バス。

「わたし、ここから歩くわ。気をつけてね。よい日を!」
東南アジア系の女性はそう言ってにっこり笑い、降りていきました。

国連のそばでバスを降り、数ブロック歩いてようやく地下鉄の一部が動いていることを発見! そこからまたえっちらおっちらマンハッタンを南下して・・・通訳仕事は1時間半の大遅刻でしたが「今日は仕方がないよ」と許してもらえて、とりあえず安心。時給制なので、その分お金にならないのですが(涙)。

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東京でいえば新宿駅!? 繁華街タイムズスクエアの地下鉄構内。

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タイムズスクエア駅構内にて。

でもそのかわり、とっても濃厚なニューヨーク的一日を味わうことができて、貴重な体験だったのかも――と思うことにしました。

 

★次回の更新は8月24日(金)です! 

2007年7月20日 (金)

長~い時間の旅路の果て、いま私と暮す家具たち

私がいま住んでいるのは、友人のダーリーン&ヨース夫妻が所有するメゾネットの2階(4月27日『床そうじ』の回、参照)。西海岸オレゴン州からニューヨークに戻ってきたとき、とりあえず・・・のつもりで入居し、そのまま住みついてしまいました。

居心地よい理由のひとつは、この部屋の家具たち。
ビターチョコレート色の大きな本棚には、プルーストやディケンズの名作、イタリアの現代文学など面白そうな本がいっぱい(学者肌のふたり、蔵書数はハンパじゃありません。彼らがこの家に引っ越した当初は、本の重さで床が抜けないかと心配していたほど)。

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本棚にはマルセル・プルースト、ジャコメッティ、セリーヌ・・・20世紀初頭に活躍した作家や芸術家の伝記がズラリ。

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私は本棚の半分を飾り棚として使用。大好きなヒト&ねこたちの写真、香水瓶、アクセサリー入れなどなどを収納。

「好きに使って」と空のまま残してくれた本棚には、大好きな写真集や絵本、香水瓶を置きました。本棚の隣の衣装だんすは、上がゆるい曲線を描いてアールデコ風。なんだか「古びているけれど縫製のしっかりしたレースのブラウスを着て、シャンと背をのばしたご婦人」を想像してしまいます。

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大好きな写真集も! 19世紀末パリの写真家ウージェーヌ・アジェやジャック・アンリ・ラルティーグ、1930年代のパリを撮ったブラッサイ・・・ページを開けば、たちまち時間旅行。

古びた木製の机は部分的に明るい空色に塗ってあって、「どこか遠い国の寄宿学校」にありそうな雰囲気。
それに! 机で使っている椅子ときたら・・・
上は「ふつう」の古びた木の椅子。でも細かな彫刻が施してあって、作った人の思いが伝わってきます。何よりもユニークなのは、脚ごと台車にのっかっていること。手彫りの「ブレーキ」までついているんですよ!


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ヨーロッパの寄宿舎にありそうな古びた木の机は、明るい空色がポイント。

みなさんは、「なぜかわからないけれど好きな種類の家具」ってありますか? 私は昔から、どういうわけか椅子が好き。お尻はひとつしかないからたくさん持っていてもしょうがないのに、蚤の市やアンティークショップで椅子に出会うとついしげしげ眺めてしまいます。動物のような四本の脚。凛とした背もたれ。優しくカーブを描いた肘掛け。この世に誕生を受けてからこの椅子は何を見、どんな人たちを抱きとめ、どんな言葉を聞いてきたんだろう? なんて、そっと聞いてみたくなるのです。

台車つきの椅子は、ダーリーン夫妻が友だちから無期限に預かっているもの。その友だちは「うちではいらないから」と置いていったそうです。脚の不自由な人のために家族の誰かが手作りしたものなんだろうか、なんて想像しています。


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(きっと)誰かが大切な人のために作った“車椅子”。ふだんなにげなく使いつつ、優しさのお裾分けをもらっている気になるのです。

そして、しかし、驚くべきことに――この椅子を例外として、上記に挙げた家具はみんなダーリーン&ヨースが路上で見つけたものなんです! 

日本には「一期一会」という素敵な言葉がありますね。人との出会いも、モノとの出会いも、見えない素敵な偶然に導かれているのかもしれません。なーんて考えてしまうほど、ダーリーン&ヨース夫妻が素敵な家具に出会う確率ってすごいんです。彼らはそれをサラ~リと受け止め、「路上ブティックで掘り出し物見つけたわ!」なんて言ってますが。

ニューヨーカーは案外気軽に、この“路上ブティック”を活用しています。先日は大学教授兼不動産業者、美しくセンスも抜群という女性の家を訪ねたのですが、リビングに置いてあった素敵なランプを褒めると「あら、道端で拾ったのよ」と得意満面に教えてくれました。

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これも“路上ブティック”で見つけた、という驚きの衣装だんす。

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    開くとこうなってます。

「どうぞご自由に」と暗黙のメッセージをこめて路上に置いてある家具をもらってくる、そんな“路上ブティック”活用者もいれば、もっと積極的に掘り出し物ハントに出かける“路上ブティック”活用者もいます。ニューヨークにはときどき路上に大きなコンテナ型資源ゴミ入れ「ダンプスター」が置いてあるのですが、『ニューヨークタイムズ』紙(2007年6月21日付)によると、お金持ちの住んでいる地域のダンプスターを定期的にチェックし、面白いもの、良いコンディションのものを無料で見つけることにスリルを見いだす“フリーガン”なる人々もいるのだとか。ゲーム感覚、あるいは新しい時代の狩猟民族? ある意味では究極のロハス的生活と、いえるかもしれません・・・

 

★次回の更新は7月27日(金)です! 

2007年6月29日 (金)

緑の中のピクニック

このブログでも何度か登場しているセントラルパーク、面積は日