アート・文化

2008年3月21日 (金)

シゴト時間から、じぶん時間への橋渡し

 ♪月曜日は仕事にでかけ〜
  火曜日も仕事にでかけ〜
  テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ〜♪

と果てしなくリピートして歌いたくなる今日この頃(!?)
いま携わっているプロジェクトはもうすぐ終わるので、来月には「ヒマや〜」と叫んでいるかもしれませんが・・・とりあえず月〜土までオフィス通いをしているワタクシです。

 “シゴト時間”から“じぶん時間”への移行。みなさんはどうしてますか?

ワタクシはこのところ、“じぶん時間”への橋渡しに通っている場所があります。それは、メトロポリタン美術館。 昨年リニューアルしたばかりのギリシャ・ローマ部門が、いいんですよ~。金曜&土曜は9時閉館なので、仕事帰りに立ち寄ることもできるというワケ☆ 

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メトロポリタン美術館の正面ロビー。受付には日本語の話せる方も常駐しています。

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  「壮麗」という言葉が浮かぶ、古代ギリシャ部門。

 正面ロビーから左に折れると、広々した回廊に設置された大理石の像と、イオニア半島特有の黒や赤の釉薬を塗った陶器が並びます。実を言うと、チラッとのぞいたときは「前とあまり変わってないナ」と思っていました。
 ところが、その奥に・・・ドーンと広い空間が!
 ギリシャ部門と同じく大理石の像が並びますが、配置デザインの微妙なちがいなのか、こちらヘレニズム時代&ローマ部門はなんだか親しみやすい雰囲気。まるで、さっきまで散歩したり談笑していた人たちが「ぴたっ」と動きを止めたみたい(頭だけのヒトや鼻もげのヒトもいますが・・・わーっ、ホラー!?)
 訪れる人の反応もさまざま。あちこちに置いたベンチに腰掛け、彫刻とじっとにらめっこしている人。胸像と並んで“ツーショット”を撮る人。生身のヒトと大理石のヒトの距離が従来より「身近」な感じ。大きな天窓が“突き抜け感”を演出してくれるのか、この空間にはなにか気持ちのいい空気が漂っています

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ヘレニズム&ローマの間。大きな天窓から降り注ぐ光が気持ちのいい、中庭のような空間。

 しかしワタクシ的イチオシは、このメイン広間の横にある細長い回廊です。何気なく見た風景や、ふと聴こえた声。予期していなかったものに予期していなかったときに出会って、「うわー!?」と感動してしまうことってありませんか? この回廊で出会った壁画は、そんな出会いのひとつでした。

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紀元前一世紀後期、アウグスタス皇帝時代の宮殿の寝室の壁。頭部は女性、身体は鳥の妖精「セイレーン」は、東洋の羽衣天女のイメージと重なります。

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西暦79年のヴェスヴィオ火山噴火によって宮殿の大部分が損傷を受けたものの、残った一部を修復して展示してあるのだとか。

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 まず惹かれたのは、その色合いでした。「くれない」という言葉そのものの鮮やかな紅と、東洋的な静けさを思わせる薄墨色。絵柄がまったく「古くさ」くないことにもビックリ。はじめて見たときはずっと後の時代のものと思ったくらいです。紀元前一世紀にこんなモダンな感覚のデザインがあったとは!
 トロリと柔らかな蒼が基調の壁画には、海にまつわる神話の場面が描かれています。向かって左は、美しい海の精ガラテアと、彼女に夢中になってしまった一つ目の巨人ポリュペモス。向かって右は海の怪物の生け贄にされそうになったアンドロメダを助ける英雄ペルセウス。宮殿に住んでいた人々は、この絵を見てどんなふうに感じていたんでしょうね。

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海の精ガラテアに恋してしまった一つ目の巨人ポリュペモス。

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海の怪物に生け贄にされそうになっていたアンドロメダ王女を、メデューサを退治したばかりのペルセウスが助ける場面。怪物は「くじら」という説もありますが、これは「竜」に見えますね

 そして・・・この方を見たとき、ズギューンと心が貫かれてしまいました!

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何かを問いたげなつぶらな瞳。いまにも動き出しそうな全身の気配。二千余年という時を越え、こんなに生き生きとしていらっしゃるとは・・・ワタクシ、この鳥さんに惚れました。

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こちらは「黒の間」と呼ばれる寝室。漆黒ではなく、薄墨色の壁がミステリアスな印象です。

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欠けた一部には何が描かれていたのか・・・“永遠のかくれんぼ”をしている神話動物。

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部屋が薄暗く、輪郭もぼやけているため、いつも「何の場面か知りたいーっ」とジタバタしてしまう壁画。

二千年という時を経てきた品々の多くは、いまとなってはどこの誰が作ったのかわからないけれど・・・寝室の壁やさりげないガラスの器の向こうに、確かに生きていた人々の息吹を感じます。
——この首飾りをつけていたのはどんな女性? この鎧をまとっていたのは、どんな男性? どんな服を着、どんな髪型をして、どんな言葉を話して生きていたのだろう? 

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ローマ時代のガラス器。何を飲んでいたのかな

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ネズミの形の・・・急須?? 茶目っ気のある職人さんが作ったのでしょーか。

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これも茶目っ気! お魚のカタチの・・・何に使ったのでしょう?

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普通の人(貴族かもしれないけど)が、普通に使っていたはずの器たち。どんな料理を盛っていたんでしょう。味見してみたい!!

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「あのイヤリング欲しいかも〜」と、ついウィンドウショッピングをしてしまう、煩悩でいっぱいのワタクシです

二千年前に生きた彼らも、仕事や勉学や修業に打ち込んだり、悩んだり、「わーい♪」と踊りだしたくなったり、けんかしたり、恋をしたり、私たちと同じようにいろいろ感じて生きていたはず。無名の人々が残していった暮らしの軌跡を眺めていると、日々分刻みで暮らしたり、「あと何時間でこれ仕上げなきゃ」とカリカリしたりするうちすっかりコチコチに縮こまってしまった時間の感覚が、ふわーんと伸びる気がします(←乾いたお麩をぬるま湯に入れると「ぶわーん」とふやける、あの感じ)。
 
 1時間かそこら古代世界を“旅”して、ちぢこまった時間の感覚が開いたら、週末の“じぶん時間”を楽しむ準備完了♪ みなさまも、素敵な週末をおすごしくださいね!

 

★次回の更新は3月28日(金)です! 

2008年1月11日 (金)

2008年。目に見えないもの、言葉にならないものに心を向けてみませんか?

あけましておめでとうございます!!
「こんなことにトライしよう」と抱負を胸に抱いて新年を迎えた方も多いのでは? ワタクシもお雑煮を味わいつつ「今年はっ」と握りこぶしを作っておりました。さてワタクシの抱負とは・・・

<目にみえないもの、言葉にならないものにたいして、もっと意識を開いてみよう>星の王子さま』のキツネも言ってましたね、「本当に大切なものは目に見えない」って。私がそう考えるようになったきっかけのひとつは、1年少し前に出会ったある女性でした。

Portrait

「姫!」と呼びかけたくなるこの凛と美しいお姿、ご存知の方も多いかも? 画家の藤田理麻さんです。麗しき才女ですが、お会いしてみると実に気さくでフレンドリー、本当にキュートな方なんですよ~。(by葉)

理麻さんの絵には未知の、けれどどこか懐かしい世界の風が吹いています。みずみずしい湧き水のように澄んだ空気感。どっしりしたタペストリーのように濃厚、かつ薄絹のように繊細な質感。そこにたたずむ少女の、吸い込まれそうに深い瞳。絵に見とれるうち、いつか迷い込んだ夢の中、はたまた遠い昔に別の人間であった自分が見た風景に「戻って」いく感じさえしてしまう・・・

Redberries

Red Berries(小さな赤い木の実):2006年制作
「NY郊外ロングアイランドの避暑地、、、。
キャンプしないと入れない奥地にある幻想的なスワンプ(沼地)が舞台です。夢です。」
(藤田理麻さんによるコメント:以下同)

Soundofaspen

Sound of Aspen(アスペンの音色):2006年制作
「ユタ州、ワイオミング州にまたぐイエローストーン国立公園を廻った時に夢みた風景です。」

Prayerforpeace

Prayer for Peace:(平和への祈り):2006年制作
「広島国際平和サミットのために依頼されて描いた作品。3人のノーベル平和賞受賞者たち(ダライラマ法王、デズモンドツツ大司教、ベティウイリアムス女史)から直筆サインと賞賛を受けました。」

Penguins

Penguins (皇帝ペンギン):2006年制作
「夢で見た光景です。」

でも以前はもっと違う「目に見えるもの」ばかりを描いていました。「それしか知らなかったから」と理麻さんは言います。美大生のころからニューヨーク美術界でも注目されてきた理麻さんですが、画家として活動をはじめた当初は悩みがいっぱいで、いつも苦しかったのだとか。芸術の世界でも“売れるか、売れないか”という問題は切実。仲間のアーティストの成功を喜ぶ気持ちの一方で「自分はどうなのか」と不安にさいなまれることも多々あったそうです。

あるとき日本での仕事を終え、ニューヨークに帰る飛行機の中で理麻さんは高熱を出してしまいます。「どんどん具合が悪くなって・・・ところが、現金を持って乗るのを忘れていたの」。JFK空港からマンハッタンまで、地下鉄だとすごく時間がかかるし、かなり混雑します。
どうしよう・・・
熱でふらふらしながら入管に並んでいると。

ふと目の前に金髪の女性が現れ「これを使いなさい」と理麻さんにお金を握らせたのです。キャッシュがなくて困っているなんて、誰にも打ち明けていないのに! 戸惑い、返そうとすると「いまここで、あなたはこれをいちばん必要としているでしょう」。ありがとう、と顔をあげたらその人はもういませんでした。周囲に聞いても「知らないよ」というばかり。ありがたいなぁ、とそのお金でタクシーに乗り帰宅し、それっきりなんとなく記憶の奥に忘れていました。

やがてまた出張の機会が訪れ、旅の途中に読む本を探しに書店へ。すると整然と並んだ棚の一番上から、いきなり一冊の本が足元にバサッ! 「なんだろう?」と拾ってみたら、なんと同じような出来事に出会った人々の体験談を集めた本でした。中には「飛行機の中で具合が悪くなったとき黒人の男性に助けてもらい、後でお礼を言おうと探したけれどそんな人は乗っていなかった」という話も!

同じころ、理麻さんにはチベット人と知り合い、友だちになる機会が増えていました。「それまでずっとニューヨークに住んでいたのに、チベットの人には会ったことがなかった。チベットがどんな土地なのかも、ダライラマ法王のことも、何も知らなかったの」。 
中国軍の侵入を逃れて難民キャンプで暮らした経験のある友だちは、難民キャンプではいつも食糧が不足していて、本やノートもなくて、勉強したくても出来なかった体験を教えてくれました。

 そんなある晩、夢の中でこんな声がしたのです。
<いま、チベットのためにあなたができることを、しなさい>

友だちの話を思い出した彼女は(私は画家だから、絵本を作ろう)と思い立ちました。チベットにまつわる昔話や民話を集め、挿絵を描き、チベット人難民の子どもにも、他の子どもたちにも読んでもらえるよう、チベット語と英語と日本語でお話を添え、自分で編集を手がけて出版したのです。そして数千冊を自費と募金で資金を集めて買い上げ、難民キャンプに寄付しました。

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インド周辺に結核で死んでしまう子どもが多いと聞いた理麻さんが作った、結核を予防する方法をやさしく説いた本。「TBAware」というタイトルで2007年末に刊行されました。

理麻さんの画風が変わったのはこのころでした。現在、絵を描くときのインスピレーションは「夢や、泳いでいるとき、瞑想しているとき」にもらうといいます。そうやって見えるヴィジョンは細部まではっきりしており、迷いなく描くことができるのだとか。仕事に対しても、名声や生活の安定ではなく「いま、自分がやるべきこと」という意識が生まれ、気持ちがすごく楽になったそうです。

さてワタクシ、わが身をふりかえり20代の頃よりも「出来るようになったこと」も多いとは思う。が、これからどうやって生活していこうとか、恋愛の悩みとか、悩みはつきないわけです。でもなんだかね、だれかと話をするとき、どこか知らない場所に行くとき、目には見えないものや、言葉には結ばれていないけれどそこにある思いや、そういうものにたいしてアンテナを開いてみたら、もうちょっと辛抱強くてものわかりのいい(ホントか)自分になれそうな気もする・・・。

みなさまの一年も、思いがけないワクワクに満ちたものになりますように! 今年もどうぞよろしくお願いいたします♪

 

★次回の更新は1月18日(金)です! 

2007年12月28日 (金)

みんなで踊ろう! 魅惑のベリーダンス♪

わーっっ!! 
と世界中のあっちこっちで叫びつつみんなして駆け抜けた、という感じの12月。1年を振りかえり、いろいろな思いがよぎる時期でもあります。

2007年、ワタクシにとっては思いがけなくうれしいひとつの「かたち」を感じることができた年でありました。それは・・・ジャーンッ♪ ベリーダンスのクラスなのです。
私自身はバレエ、ジャズ、モダンなどを経て7年前から踊りはじめたベリーダンス。以前から他の先生の代講やプライベートレッスンを教える機会はあったのですが、2007年1月からレギュラーのクラスを受け持っていました。実はなかなか難しかったりするこの踊り・・・でも12月に、クラス参加者初の「お披露目」をしたのです!

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実はワタクシ、ベリーダンサーでもあるのです。撮影・千葉諭

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ベリーダンスのクラスにて。みんな真剣かつほがらかにダンスダンス♪

最近は日本でも人気が出ているようで喜ばしいのですが、ベリーダンスって誤って解釈されがちな部分も多いみたい。「エッ? 肌も露に男の人をユーワクする踊りでしょ?」と思われていた方。チッチッチッ、それは誤解ですよ~! 女性的な美が強調される踊りなので殿方がクラクラしてしまうのは無理もないのですが、踊りそのものの“意味”はフラメンコやタップやヒップホップやその他すべてのダンスと同じ。踊り手にとっては「楽しいから、踊りたくてたまらないから」踊るだけのことなんです。それに、男性の踊り手だっているんですよ。

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この12月のステージより。大好きな曲、leylet hobを踊りました。撮影・星ゆき

ベリーダンスはエジプトを中心にモロッコなど北アフリカ、アラビア半島の諸国、トルコ、ギリシャ、アルメニア、ペルシア(現在のイラク)、イランまで、広範囲で踊られている民族舞踊のこと。現在ではブルガリアやマケドニアなどバルカン半島の音楽&踊りもベリーダンスのひとつとして考えられ、実に広大な地域で踊られているさまざまな踊りの総合的体系を指しています。いまではレストランやクラブなどのショーで踊ることも多いのですが、もともとは遊牧民の部族の中でいわば“盆踊り”的な娯楽として踊られていたり、また女性だけが集まって、妊娠している女性を囲んでベリーダンスを踊り安産を願う風習もあったといいます。以前ワタクシが踊っていたトルコ料理店では、トルコ人スタッフが「僕たちの国では老若男女関係なくみんな踊るんだよ。生まれたときからこういう音楽を浴びて育つんだ」と教えてくれました。

さて、わがベリーダンス・クラス。ベリーはじめて、ダンスはじめて! という方も多いのですが、だんだんとレギュラーで通ってくださる方も増え、毎回笑いの絶えない楽しいひとときです。
クラス前半では身体の各部分を独立させて動かす練習をするのですが、このエクササイズがけっこう難しく、はじめての方は「う!?」という顔をなさることも。でもねえ、身体って正直なもの。今日できなくても、「でも楽しいから、踊る!」と思って続けていると、だんだん動くようになってくるんです。

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ダンス発表に出てくれたわが美しきダンサーたち。左はなっちゃん、中はみよこちゃん、右はななちゃんです☆

今回の発表は、クラスをプロデュースしていただいているスタジオ(※1)のクリスマスパーティーの一環でした。出演ダンサーは3名。私も含めて4人で楽しい曲「Salma ya Salama」(※2)を踊り、それからクラス当初から毎回参加してくれていたみよこちゃんの初ソロ。そしてワタクシが3曲ほど踊って、最後にみんなでトルコのスーパースター、オマー・ファルク・テクビレク氏の名曲「Saskin」で締めくくりました。

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楽屋にて。カワイイ女の子ちゃんに囲まれてオネーサン幸せだわ♪♪

いや~、この準備がまた、楽しかったんです!! 振付を作り、いつものクラス以外にもパフォーマンス用のクラスをやり、みんなと衣装の相談をし・・・。ちょろっとアドバイスをするだけで、ダンサーたちの動きが変わっていく。より自由に、より柔らかに、より生き生きしたエネルギーが出てくるその過程をつぶさに見られたことは、言葉で表現しがたいほど。ひとりのダンサーとしてクラスを受けたり、パフォーマンスしたり・・・というソロ活動にはなかった「人とシェアする喜び」を存分に味わいました。
当日はロンドンからメークを学びに来ている若きヘア・スタイリストけーこちゃんにお化粧アドバイスをお願いして、みんなキレイに磨きをかけました♪ あまりに楽しかったので、またやろうよ!という話になり、2008年夏をニラんでいるところです。

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ロンドンから来た若きヘア・スタイリスト&メーキャップアーティスト、けーこちゃんがメーキャップ・アドバイザーになってくださいました。

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ショーの後に、ロビーにてポーズ。どや? なかなか決まっとるやろ?

何でも新しいことをはじめるのは度胸が要りますが、やってみてわかることも多いもの。「2008年は○○でもしようかなー」とお考えの方、「エイッ」とはじめてみると、以外な発見があるかもしれませんよ☆

2007年4月にオープンしたこのブログ、2008年もいろんな所に顔やら足やらつっこみつつ、ニューヨーク暮らしをお伝えしてゆきたいと思います。1月は11日が初更新です。ではではみなさま、よいお年をお迎えください!

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2007年はたくさんのサポートや心躍るコメントをありがとうございました。来る年もどうぞよろしくお願いいたします。

(※1)Center for Remembering and Sharing 作家の香咲弥須子さんが主宰するスペースで、ヨガやメディテーションなどもあります。
(※2)歌はbyイスラエル&スペインのフュージョンバンド、アラビナ。

 

★次回の更新は1月11日(金)です! 

2007年12月21日 (金)

極上の音の作りかた☆NYフィルのリハーサル見学

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ニューヨークの街並は、すっかりクリスマスもよう。これは5番街、由緒あるプラザホテルの斜め向かい。

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緑と赤、金に染まった街のなかを、こんなにポップな配色の方が通り抜けていらっしゃいました。

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ニューヨークといえば・・・ロックフェラーセンターのツリー。今年は小さめのライトで、大人っぽいロイヤルブルーがきれいに出ていました☆

舞台は1/3ほど埋まっていました。あっちからバイオリンが、こっちからホルンが聞こえてきます。音階を上がったり下がったりウォームアップをする人もいれば、難しい箇所なのか、はたまた“聴かせどころ”なのか、特定のフレーズをくりかえし練習する人も。そうしているあいだにも、それぞれの楽器を手にしたミュージシャンたちがどんどん舞台に到着。皆さん私服のせいか、朝なのでちょっぴり眠たげな人もいるせいか、なんだかとっても親しみやすい気がします♪

ここはカーネギーホールと並ぶクラシック音楽の殿堂、リンカーンセンター。ニューヨーク・フィルハーモニック・オーケストラの“おうち”、エイヴリー・フィッシャー・ホールです。ここで一般公開のリハーサルがあると聞きつけ、さっそく訪ねてみました!

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クラシック音楽の殿堂、リンカーンセンター。向かって右がNYフィルの“おうち”エイヴリー・フィッシャー・ホール。向かって左がメトロポリタン・オペラ。

本日のお題目はショスタコーヴィチの交響曲4番ハ短調と、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。なーんて、いかにも知っている風に書いてみたワタクシですが、クラシックは好きだけど超有名な曲しか知らないシロートであります。とにかく、ニューヨークが誇る交響楽団のリハーサルってどんな感じ? というミーハー精神で駆けつけてみたワケです。

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だんだんと、オーケストラの面々が揃ってゆきます。

NYフィルの現在の音楽監督はちょっぴりアンソニー・ホプキンス似のロリン・マ—ゼルですが、この日の指揮者はドイツからやってきたアンドレイ・ボレイコ。どです? なかなかかっこいいでしょ?・・・って、指揮者の人気投票してどうするっ(反省)。オーケストラが全員揃ったところでボレイコ氏が入ってきて、リハーサルがはじまりました。

リハーサル曲は、数時間後に本番のコンサートで演奏するのと同じもの。お芝居では初日の前日は照明や音合わせの「テクニカル・リハーサル」と、衣装をつけて本番通りに通す「ドレス・リハーサル」をやります。だからこのリハーサルでも本番と同じに演奏する通し稽古なのかと思っていました。
ところが、大違い!
ボレイコ氏「○○小節から、盛上げていく感じで」と手短に指示したあと、いきなりゴー! はじめて聴く曲なので何楽章かもわかりませんが、とりあえず思いっきり“途中”です。でもさすがにNYフィルですね。というか、プロの音楽家は皆ああいうものなんでしょうか。「助走」なしでいきなりジャンプ!!

しかし生の音楽っていいものですね~。バイオリンやヴィオラののびやかな旋律、トランペットやトロンボーンの勇壮な響き、チビ天使を思わせるピッコロの軽やかな音色。音の刺激が気持ちい~い☆ 前の晩睡眠不足だったせいか、つい座席にもたれてうつらうつらしてしまう。でもまだリハーサルだもんね、大丈夫だよね(何が!?)・・・

ショスタコーヴィチは、スターリン政権の共産党ソ連、1935~36年にこの交響曲を書いたそうです。お隣ドイツではヒトラーが再軍備宣言をしていた頃。ソ連ではスターリン独裁下、政敵の疑いをかけられた人々がどんどん暗殺されたり強制収容所送りになる「大粛清」の前夜でした。そんな中でこんなに心を揺さぶられるような音楽を作っていたなんて・・・。政権の気まぐれで褒められたり酷評されたりと、揺れながら作曲を続けた彼の心に思いを馳せてしまいます。

面白いのは、指揮者ボレイコ氏の指示の出し方。「ここは伸びるように・・・ポンポンポン、ラタタタタ・・・そして膨らみをもたせながら駆け抜けて」など感覚的な指示を出していきます。彼の一挙一動を見守り、一言一句を逃すまいと集中するオーケストラの面々のかっこいいこと!
指揮者の言葉を瞬時に消化して彼らが音楽を作っていく様子は、まるでみんなでひとつの彫刻を作り上げていくかのよう。「建築は凍った音楽である」と言ったのはゲーテだそうですが、逆に言えば、音楽は流れる建築か彫刻なのかもしれません

2時間ほどショスタコーヴィチの交響曲をリハーサルしたあと、休憩をはさんでラヴェルのピアノ協奏曲。ラヴェルはベルエポックの、文化と文学が華麗に花開いた時代のパリで作曲していました。時代や環境を反映してか、彼の音楽は色彩豊かな夕焼けや、猫の足の裏を思わせる軽やかでいたずらっぽくさえもある音色に聴こえます。

3時間ちょっとのリハーサルは、当初予想していたような“通し稽古”ではなかったけれど、かえってコンサートという完成品を作り上げるアーティストたちの横顔を見ることができて、貴重なひとときでした。

 

★次回の更新は12月28日(金)です! 

2007年11月16日 (金)

道で、地下鉄駅で、ストリート・パフォーマンスが面白い!

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風は秋色♪ ゲージツの季節なのだ

久々にセントラルパークを散歩してきました。そろそろ本格的に寒くなってきて、風が吹くと耳が冷たい! でも木の葉がざわざわと鳴って、なんだか季節限定の特別な音楽を聴いている気分になります。

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黄金色の葉っぱを風が揺らして、それはそれは素敵な音楽を奏でるのです♪

週末の公園散歩、楽しみのひとつは大道芸人のみなさんです。太鼓を持ち寄ってテケテケと叩く人たちや、石畳をものともせずブレイクダンスを披露する人たち。半裸に黄金のフンドシを締め、足首には何重にも鈴をつけてシャンシャンシャンと足踏みをしながら、ギュンギュンものすごい勢いでバイオリンを弾き、同時にオペラのフォルセット(男性が女性なみのソプラノで歌う、あれです)で高らかに歌い続ける・・・というものすごいパフォーマンスをしている男性を見たこともあります。動きがあまりにも激しく、またそれ以上に衝撃が大きくて、写真には撮れませんでした・・・(後悔)。

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セントラルパークの池端にて、アクロバット芸を披露するお兄さんたち。

本日は、ひとり黙々とジャグリングする青年を目撃。練習しているのかパフォーマンスなのかいまいちわからないさりげなさだったので、立ち止まった人はみな、ちょっぴり遠慮がちに見守っていました。

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午後早めの公園で、ひとり黙々とジャグリングを続ける青年。なかなか楽しそうでした。

ニューヨークではストリート・パフォーマンスがとっても盛ん。公園だけでなく地下鉄構内、時には電車の中でも音楽やダンス、アクロバットを見かけます。
地下鉄車内のパフォーマーは、個人的にはちょっと苦手かなぁ。走行中の車内で宙返りするなどアクロバティックなブレイクダンスを見せる少年たちとか、ギターをかきならし「アモ~レ~♪」と熱唱するマリアッチのおじさんとか、面白い芸人もいるのですが・・・乗客としては、静かに本を読んだり考え事をしたいときもある。大通りや駅構内など、観客が自分の意思で観客になることを選べる場所で演じるのは、大道芸の約束という気もします。

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タイムズスクエア駅にて、ひとりパントマイム(のスタンバイ)をする青年。音がないのでなかなかみんな立ち止まってくれず・・・がんばってね!!

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そこから20メートル先では、こんな人垣が・・・

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ジュリアード学院の生徒さんかしら、コントラバス、チェロ、ヴィオラとバイオリンふたりの五重奏でした。クラシックはやはりホッとするなぁ~。

大道芸って、芸そのものが「巧い」、「面白い」のはもちろんのこと、観客との距離の設定も重要ですよね。「これから面白いことしますーッ」と叫んでも、みんな忙しいからなかなか立ち止まってくれない。でも、すでにそこで何やら演じていて、それが好奇心のアンテナにピピッとひっかかると、多少急いでいても「どうしたどうした、なにやってんでぇ(←江戸っ子)」と足を止めたくなるのが人間の心理というもの。

その点、音楽は強い! 言葉を越えた言語ですものねー。ピピッとアンテナが反応するパフォーマーに出会うと、まるで一日の「おまけ」をもらったみたいにうれしくなってしまう。
たとえば、このお兄さんたち
こっちもかっこいいですよ! 

ヒプノティック・ブラス・アンサンブルという名のこの兄さんたち、思わずふたつリンクつけたくなるほど、ニューヨークで話題のパフォーマーなのです。

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シカゴ出身、ニューヨークの路上から世界へはばたくヒプノティックのお兄さんたち。左端のシンバルを抱えたドラマー君以外は、全員血のつながった兄弟なのです!

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路上だけでなく、コンサートホールやクラブでも人気沸騰中の彼ら。これはマンハッタンのアーロン・デイヴィス・ホールでのライブ風景

9人編成のこのバンド、ブラス(管楽器)を吹いている8人はなんと兄弟! ジャズ&ソウルでは伝説的なトランぺッター、フィル・コーランを父に持ち、小さいときからブラス楽器の演奏をはじめ楽譜の読み方、歌など徹底的に音楽を叩き込まれて育ったそうです。故郷シカゴからニューヨークに来たのは、2005年のこと。私が彼らをはじめて見たのは昨年秋のことでしたが、思わず立ち止まって聴きほれ、その場でCDを買ってしまったほどでした。私の友人もみんな「知ってるわ! かっこいいよね~」とメロメロなのです☆
路上で彼らに出会うたび感心するのはホットで素敵な音楽だけでなく、聴いたあと思わず微笑んでしまう、ポジティブなエネルギーをくれること。先日、ある記事のためにインタビューをお願いしたのですが(←職権濫用)「聴いていると元気になる。明日もがんばるぞって思わせてくれる、そんなふうにタマシイの薬になる音楽を作っていきたいんだ」とコメントしてくれました。
すでに人気アーティストとの共演もひっぱりだこで、夏にツアーしてきたヨーロッパに早くもこの冬、再び招かれている彼ら。ドイツ、オランダ、イギリスとアイルランドで演奏してくるそうです。2008年には日本上陸も考えているとのこと。機会があったら、お見逃しなく!
ホームページはこちら

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すませんっ。かっこいい男の子君に囲まれて舞い上がっております。いちばん若いブラザーに「君、いくつ? 22歳くらい?」と聞かれ、(やっぱ干支一回り以上サバ読んだらまずいよね・・・)と我に返って、「いや~、もっと上だよぉ」と笑っておきました(汗)

 

★次回の更新は11月23日(金)です! 

2007年10月12日 (金)

秋の音色、チェロのレッスン

  
  秋の日のヴィオロンの
  ためいきの身にしみて・・・


なんてヴェルレーヌ(※1)の詩を引用したくなるほど、秋の光は弦楽器の音色をひきたててくれるような気がします。

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一抹の哀愁を秘めた秋の日に(“秋の心”と書いて“愁い”ですものね)

弦楽器の音色がよく似合う・・・!?
なーんて書き出してみたのはっ! ワタクシも弦楽器を習っているからなんです♪ 私が習っているのはチェロ。ヴァイオリンやヴィオラより大きく、ベース(※2)よりも小ぶりな・・・ヨーヨー・マの弾いてる、あれです。

コトの起こりは一年前。いまは過去形で話せるものの、悩みごとを抱えていました。多くの「悩みごと」がそうであるように、ある人と気持ちがすれちがい、こじれなくてもいいはずなのにネジネジにこじれてしまったのです。来る日も来る日も胸に鉛がつっかえたようで、歩いていても地下鉄に乗っていても、油断すると涙がこぼれそうになって・・・。

言葉を使う仕事をしているせいか、こういうときはいろんな考えが頭のなかでグルグル渦巻いてしまいます。「あのとき・・・ていれば・・・けど、どうせ・・・だめだ・・・」云々、いやもうウルサイのなんの。仕事にも身が入らなくなってしまい、困り果てて友人に相談してみたら――。
「言葉や論理は左脳の領域って言うわよね。それなら、感性や直感を司る右脳を活性化させることをしてみたら? たとえば私は絵を描いていると時間を忘れてしまうの」
友人の言葉を聞き終わる前から<音楽だ>と思いました。チェロが目に浮かんでいたのです。

触ったことのある楽器といえば、小学校で習ったハーモニカとリコーダーくらい。そんな私がなぜ弦楽器などという大望を抱いたかというと、たぶんそれはオレゴン州にいたとき知り合った若きチェロ奏者、アダム君のおかげ。ちょっとクリックしてみてください・・・ねねね、かっこいいでしょ ?(※3)
というのはさておき。
私はダンサー、彼はミュージシャンとして共演したのがきっかけで知り合ったのですが、彼のチェロの音、実に気持ちいいのです。CDも2枚ほど持っていますが、特に秋から冬への季節に聴くと心が震えてしまいます。プロの彼みたいには弾けないだろうけど、あの深々と豊かな音の音符ひとつぶんでも、この手で奏でることができたら・・・

大人になってから習うなんて、大丈夫? 
そんな不安があったのも確か。でも、やってみないとわからない。試してみて絶望的だったら、そのときに諦めればいいのだから。

インターネットで探して出会ったのは、くりくりした瞳がおちゃめなピーター先生でした。「大人の生徒もたくさん教えてきたよ。81歳でチェロをはじめた女性もいたんです。大切なのは、自分の心の中の障壁を取り除くこと。何かをはじめるのに“遅すぎる”なんてことはないのだから

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ピーター・ルイ先生。子どもの生徒さんも多いので、教え方がかわいいんです。

そんな言葉に勇気づけられ、まずはマサチューセッツ州にある弦楽器の会社から楽器をレンタルしました。宅配で届いたチェロを見た時の感動といったら・・・。

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はじめての、チェロチェロ(小躍り状態)! ここだけの話ですが、名前もつけちゃいました。カシエル君といいます♪

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赤・黄・紺の色使いの可愛さに狂喜乱舞しつつ買った、はじめての楽譜立て。なぜかクマさんもついてきました。クマさん、いつも励ましありがと☆

仕事が忙しくて練習できないこともあるし、先生のお手本とは似ても似つかぬびょぉぉぉぉぉん・・・とケッタイな音を出してしまい自分で驚くこともしばしば。でも、あの美しい曲線を描いた楽器を腕に抱いて弓を滑らせると胸骨のあたりから音の震えが伝わってきて、気持ちよさのあまりトロトロ眠くなってしまうこともあるんです(←単なる寝不足という説もあるが・・・)。
「頭の中のひとりごと」も次第に減って、そのとき練習している課題曲が聴こえるようになりました(そしてひと月くらいした頃、悩みの種だった「こじれ」も解けてきたのです)。

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今週の宿題。新しい課題が出ると、まずは楽譜を読むのに一苦労・・・その後、「こ、こんな音でいいのか!?」と現実チェックの時間です。ゲージツの道は険しい。

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タリ~ラリ~♪ なんてすましつつも、音は合っているか? ちゃんとビブラートできてるか?・・・と、常にドキドキであります

楽器でも踊りでも外国語でも最初は難しく、もどかしいもの。でも「自分の惹かれるもの」を自由に習える特権は、大人だからこそ。何か学びたいものがあったら、ちょっとくらいは失敗したり“カメさんの歩み”で上達する許可を自分に与えつつ、とりあえず挑戦してみることをお薦めします!

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「スヤスヤ・・・マミーも上達したにゃあ・・・スヤスヤ」と安眠を貪るニャニャムージカ姫(←サクラ説も有り!?)

(※1)19世紀フランスの詩人。堀口大学氏や金子光晴氏などいろんな人が訳しているのですが、上田敏氏の訳(ここでも引用)がいちばん有名かも。
(※2) ダブルベース、コントラバスとも言う。ちなみにチェロはヴィオロンチェロとも呼ばれます。
(※3)Movieをクリックすると演奏しているところが見られます。あと、フォト・コーナーをみてみて! きゃ~アダムくぅーん、と黄色い声をあげてしまう可愛さです。うっいけない、おねーさんハシャギすぎちゃったわ・・・(赤面しつつ退場)

 

★次回の更新は10月19日(金)です! 

2007年9月 7日 (金)

秋だから行きたい! ミュージアム

陽射しがやわらぎ、朝夕の涼しさに秋の気配が感じられる頃となりました。ニューヨークにも蝉がいるらしく、こちらハーレムの裏庭からは、夕刻になるとジジジジィーと郷愁をさそう声(←羽音というべき?)が聞こえてきます。
仕事+風邪+もろもろのハプニングに見舞われて、旅行はおろか、海や郊外への日帰り遊びさえ叶わなかった今年の夏。せめて数時間の逃避行+芸術の秋のプレビューということで(?)美術館を訪ねています。

ニューヨークといえばMOMAホイットニーグッゲンハイムなど個性豊かな現代美術館がたくさん。なかでも私のお気に入りはメトロポリタン美術館。 

ずっと前にはじめて訪れたときは入場料15ドルのモトを取ろうと欲張ってしまい、巨大な館内をあちこち歩き回りました。おかげで一日の終わりには古代エジプトのミイラとモネの油絵と中国の仏像が頭の中をぐるぐると渦巻き、足はむくんでパンパンという、なんともトホホな状態に・・・。
でも去年ふと調べてみたら、なんと年間60ドルで通い放題という会員制度があるではないですか! さっそくインターネットで登録し、晴れて“ネット・メト会員”に♪ おかげでこの1年は“プチ逃避行”にずいぶん通いましたよー。。

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メトロポリタン美術館の目玉のひとつ、デンダー寺院。本殿を囲む池には「コインを投げ入れないでください」との札があるにもかかわらず無数の銅貨が。水をみるとお金を投げ入れたくなる人間の心理!?

芸術に対する個人の好みって、不思議だと思いませんか? どうしてそれが好きなのか言葉では説明できなかったり、同じような環境のもと育った家族やきょうだいでもまったく違うものに惹かれたり。
美術だけでなく音楽やファッションを含め、私はオールドファッションというか、アナログ的というか、1940年代以前の世界が好きみたいなのです。現代美術はどうも生理的に合わなくて、逃げ出したくなってしまうことも。他方、ルネサンスから19世紀あたりのヨーロッパ美術は見ていて心地よいなと思うし、それからこれはやっぱり育った環境のせいか、日本美術、特に鎌倉時代あたりの仏像を前にするとほっとします。

メト美術館でいちばん好きなのは、古代メソポタミアの部屋。ここには翼をはやした一対の巨大な石像があります。胸まで垂れるふさふさのひげをはやし、にっこりと笑う神話的動物。ラマスー、あるいはシェドゥと呼ばれるこのヒトたちは、守護神として王宮や都市の入口に置かれていたのだとか。私は秘かに「翼のはえたおじさん」と呼んで、気持ちがざわざわしたときや拠り所が欲しくなったとき、会いにいきます。
古代の王宮を模した部屋でおじさんたちとこっそり“会話”をし(声には出しませんが)、それから古代シリアから出土した青銅のガラガラや古代アナトリアからやってきた壷なんかを眺め、もしも時間があれば古代エジプトの神様に会いに行くことも。一時間ちょっとの逃避行。でもその中で数千年、数千キロの時空間を旅している・・・とも言えますよね!?

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こちらもエジプトより、陶製の小羊。この微妙な表情がね、なんとも気になってしまうのです。

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古代メソポタミアの守護神ラマスー、別名「翼のはえたおじさん」。右のおじさんは雄牛の身体、左のおじさんは獅子の身体。

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古代シリアのガラガラ。お祈りなどに使われていたのだとか。これを祈祷師が振りながら踊ったのかな、なんて想像してみると、古代の人々に親近感が湧いてきませんか!?

もっと遠くへ旅しちゃおう! と思い、先日はアメリカ自然史博物館の特別展『神話世界のいきもの展』に行ってみました。一角獣人魚ドラゴン日本のカッパもいましたよ! 
怪しいカーニバルの見せ物に使われた“人魚のミイラ”(←小動物の骨と魚を組み合わせた偽物)とか、“1つ目巨人の頭蓋骨”(←本当は額に穴のあいた象の頭蓋骨)とか、思わず「だはははは!」と笑ってしまう展示品も。でも古今東西くりかえし登場する龍の姿や、深海に生きる巨大イカの写真なんかを見ていると「世界には知らないことや不思議なことがたくさんある」と思えてきます。

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こちらは『神話世界のいきもの展』開催中の、アメリカ自然史博物館。『ネバーエンディング・ストーリー』を思い出しますネ。

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同じ館内にはプラネタリウムと、すばらしい鉱物博物館も。宇宙へ思いを馳せたいときにはこちら☆

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さすが自然史博物館、玄関から「ヌォ~ッ」とブロントザウルス君が迎えてくれます。

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『神話世界のいきもの展』は写真禁止だったので、常設展の化石コーナーを撮影してきました。こちらは古代の海の中。

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空飛ぶカメもいますっ!(じゃない、海の中から見た風景でした)

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昔はこーんなに大きな象がいたのですもの、一角獣やドラゴンだっていたかもしれませんよね!?

ところで、作家・池澤夏樹氏によれば、日本語で美術館/博物館と呼び分けられているのは、もとはひとつの言葉だったそうです。
英語ではミュージアム、フランス語ではミュゼもともとは芸術と創造を司る九人の女神ミューズに由来する言葉なのだとか。確かに、美術館でもあり博物館でもあり・・・というミュゼ(とフランス語で言ってみました♪)はたくさんありますよね。明治時代の“外来語翻訳”でこうなったらしいのですが、なんでふたつに分けたんでしょうね? 

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仕上げはカフェにて、一角獣クッキー。でもとても食べられなくて、おやつ用は別途、フルーツタルト購入(おいしかった)。

「あづい!!」と叫び寝返りを打つ熱帯夜も、そろそろ終わり。遠い記憶に耳をすましてみたり、世界の不思議に思いを馳せたり・・・そんなふうに秋への準備をしてみるのも、いいと思いませんか?

 

★次回の更新は9月14日(金)です! 

プロフィール

渡辺葉
渡辺 葉(わたなべ よう)
翻訳家・エッセイスト。慶応大学卒業後、カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校への留学を経て女優を志す。95年からニューヨークで暮らし始め、舞台女優として活動。現在はエッセイの執筆や料理本の翻訳などを手がける。料理とダンスが大好きな、好奇心旺盛な女性です。
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